2003 Fiscal Year Annual Research Report
チタン合金板の冷間多段深絞り加工技術の開発とチタン合金容器の実用化
Project/Area Number |
15360386
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
森 謙一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (80127167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村尾 卓児 (株)野口製作所, 生産技術部・部員(研究職)
大久保 不二男 (株)野口製作所, 生産技術部・部長(研究職)
新家 光雄 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50126942)
原田 泰典 姫路工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30218656)
牧 清二郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20124315)
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Keywords | チタン合金板 / 多段深絞り加工 / 冷間加工 / 焼付き / 酸化被膜処理 / 焼鈍し処理 / 極深容器 |
Research Abstract |
常温で塑性変形できるβ型チタン合金板の冷間深絞り加工技術を開発して,チタン合金容器を実用化することを目的としている.代表的なβ型チタン合金板であるTi-15V-3Al-3Cr-3Snを実験材料として,冷間多段深絞り加工を行うため,厚さ1.0mmの板を0.5mmまで冷間圧延を行った.チタン合金板の深絞り加工における焼付き防止として,大気酸化皮膜処理を行った.大気酸化皮膜処理は,チタン合金板をエメリー紙で研磨した後,加熱炉中で行った.大気酸化皮膜処理後,β型チタン合金板の表面は黒色の酸化皮膜で覆われた.皮膜の厚さは,皮膜処理条件600℃-60minの場合,1.0μm以上であった. 冷間圧延で作製したブランクの延性を回復させるため,大気酸化皮膜処理と同時に焼鈍し処理を行った.β型チタン合金の焼鈍し温度は,β変態点以上の熱処理温度が必要であり,750℃-5min及び800℃-5minの大気酸化皮膜処理を行った.深絞り加工を10段まで行っても焼付きは観察されなく,細長い容器が成形できた.大気酸化皮膜処理により比較的強固な皮膜が形成され,焼付きが防止された. 加工段数とともに容器の表面荒れが進んでいたが,皮膜処理温度の違いによる影響は見られなかった.容器側面の表面性状を確認するため,容器側面の底部付近をSEMで観察した.4段目の容器表面では,表面の荒れとともに酸化皮膜の微小な割れが確認でき,7段目以降では酸化皮膜の割れや表面荒れが確認され,表面性状は悪化していた.さらに,最適な冷間圧延・焼鈍し処理を選択することによって結晶粒がより微細化され,表面粗さも改善されると予想される.
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