2004 Fiscal Year Annual Research Report
チタン合金板の冷間多段深絞り加工技術の開発とチタン合金容器の実用化
Project/Area Number |
15360386
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
森 謙一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (80127167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新家 光雄 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (50126942)
原田 泰典 兵庫県立大学, 工学部, 助教授 (30218656)
大久保 不二男 (株)野口製作所, 生産技術部・部長(研究職)
村尾 卓児 (株)野口製作所, 生産技術部・部員(研究職)
牧 清二郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20124315)
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Keywords | チタン合金板 / 多段深絞り加工 / 冷間加工 / 焼付き / 酸化被膜処理 / 焼鈍し処理 / 極深容器 |
Research Abstract |
チタン合金の冷間加工性は小さいため,一般に熱間加工が行われているのが現状である.しかしながら,最近高い冷間加工性を有するβ型チタン合金が開発され,チタン合金板の冷間プレス加工が可能になってきている.しかしながら,曲げ加工,浅絞り加工などの適用例しか報告されていなく,深い容器を成形する多段深絞り加工は困難とされている. 本研究では,冷間加工性に優れる代表的なβ型チタン合金板Ti-15V-3Al-3Cr-3Snの冷間多段深絞り加工による極細容器の成形を行った.β型チタン合金板は皮膜処理がない場合,純チタンと同様に加工中にきびしい焼付きが生じて成形が行えなくなる.そこで,純チタンで焼付き防止に有効であった大気酸化皮膜処理を行った.β変態点の約720℃を境に結晶構造・機械的性質が変化するため,大気酸化皮膜処理温度を750℃で行った板材で冷間多段深絞り加工を行うと焼付きが発生しなく10段まで絞ることができ,深い容器の成形に成功した.大気酸化皮膜処理により比較的強固な酸化皮膜が形成され,焼付きの発生を防止することができた. 多段深絞り加工が可能になったが,素材はきびしい塑性変形を受けるため,容器表面の粗さが増大した.そこで,しごき絞り加工を行うことによって容器の表面あれを抑えることを試みた.10段加工の場合,最終段でしごき絞り加工を行うのではなく,2-4段の比較的早い段数でしごきを加えた方が表面粗さ低減に有効であることが分かった.また,深絞り用ブランク製作の冷間圧延において大きな圧下率を加えることによってブランクの結晶粒を微細化することができ,それによっても容器の表面あれを抑えることができた.
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