2004 Fiscal Year Annual Research Report
バルクアモルファス金属の熱物性とアモルファス形成能
Project/Area Number |
15360397
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
早稲田 嘉夫 東北大学, 理事 (00006058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 茂 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (40143028)
柴田 浩幸 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (50250824)
太田 弘道 茨城大学, 工学部, 助教授 (70168946)
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Keywords | Zr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30> / Zr_<60>Al_<15>Ni_<25> / Zr_<65>Al_<7.5>Cu_<27.5> / 金属ガラス / 熱拡散率 / 比熱 / 電気抵抗率 |
Research Abstract |
本年度はZr基金属ガラスの熱物性及び電気抵抗率を測定し、金属ガラスの熱安定性について議論することを本研究の目的とした。Zr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30>、Zr_<60>Al_<15>Ni_<25>、Zr_<65>Al_<7.5>Cu_<27.5>の3種類を測定試料とした。熱拡散率の測定はレーザフラッシュ法を用いて、ガラス、過冷却、結晶、融体の値を求めた。電気抵抗率の測定はZr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30>について直流4端子法により測定した。比熱の測定もZr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30>についてトリプルセル型示差走査熱量計により測定した。融体状態において熱拡散率の値が低い合金程臨界冷却速度は遅く、また熱拡散率が大きいと比較的臨界冷却速度が速い傾向を示し、熱拡散率と臨界冷却速度の間には正の相関が存在することが分かった。これより熱拡散率が金属ガラスのガラス形成能を示す指標の一つになりうる可能性を見出した。Zr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30>金属ガラスの電気抵抗率はガラス状態から加熱すると負の温度依存性を示しながら下がっていき、過冷却融体状態ではその負の温度依存性を強めた後、結晶化温度にて急激に減少し、結晶状態では大きく分け3つの段階的な変化を示した。これらの変化は電気抵抗率だけでなく熱拡散率においても対応した温度において変化することがわかった。Zr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30>金属ガラスのガラス状態の比熱はガラス状態で比熱は一定値を示した。次に熱拡散率の実測値と、比熱の実測値と密度の文献値からZr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30>合金融体の熱伝導率を算出した。 Zr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30>、Zr_<60>Al_<15>Ni_<25>、Zr_<65>Al_<7.5>Cu_<27.5>の3種類の合金について熱物性および電気抵抗率を系統的に測定した。本研究で新たに得られた物性値はバルク金属ガラスのガラス形成能を議論するための有用な情報であると考えられる。
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Research Products
(3 results)