2003 Fiscal Year Annual Research Report
ゼオライト膜の新規ミクロ細孔内拡散機構の創成と高度分離プロセスの開発
Project/Area Number |
15360406
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
増田 隆夫 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20165715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多湖 輝興 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20304743)
辻 俊郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30163794)
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Keywords | ゼオライト / シラン処理 / 細孔制御 / シラノール基 / ゼオライトナノクリスタル / 分子篩 / ゼオライト膜 / 高度分離 |
Research Abstract |
ゼオライト膜は分子篩膜としての工業的応用が期待されている.しかし,ゼオライトは種類毎に特定の結晶細孔径を有しているため,物質の分子サイズが細孔径より小さい場合には,分子篩能を示さない.本研究では,細孔内部,及び結晶外表面上にシリカユニット,もしくはシラノール基を形成させることによりゼオライトに新たな分子篩能を賦与すると共に,ゼオライト膜をゼオライトナノクリスタルで構成し,高い透過速度を有する分離膜の開発を目的としている.本年度は,結晶細孔内の任意の位置へのシリカユニットの形成,及びシラノール基の形成と分離実験を行った. MFI型ゼオライト膜を合成した後,過酸化水素処理を施すことにより,ゼオライトの細孔表面上にシラノール基を形成させることができた.水/アセトン系,水/酢酸系の分離実験を行ったところ,ゼオライト結晶内にシラノール基と水分子間に強固なネットワークが形成され,水のみを分離することができた. シラン化合物として,フェニルシラン,ジフェニルシラン,ジフェニルメチルシラン,トリフェニルシランを用いてMFI型ゼオライトの酸点上にシリカユニットを形成させ,細孔修飾を試みた.分子サイズが小さいフェニルシランを用いた場合,結晶外表面近傍と細孔内部の酸点上にシリカユニットが形成された.一方,分子サイズが大きいトリフェニルシランを用いた場合,結晶外表面上の酸点上のみにシリカユニットが形成された.以上の結果より,分子サイズの異なるシラン化合物を用いることにより,ゼオライトの任意の酸点上にシリカユニットを形成させ,細子径を制御することが可能となった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Masuda, T.Asanuma, M.Shouji, S.R.Mukai, M.Kawase, K.Hashimoto: "Methanol to Olefins Using ZSM-5 Zeolite Catalyst Membrane Reactor"Chemical Engineering Science. 58. 649-656 (2003)
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[Publications] T.Masuda, S.Otani, T.Tsuji, M.Kitamura, S.R.Mukai: "Preparation of Hydrophilic and Acid-Proof Silicalite-1 Zeolite Membrane and Its Application to Selective Separation of Water by Pervaporation"Separation and Purificaiion Technology. 32. 181-189 (2003)
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[Publications] T.Masuda: "Diffusion Mechanisms of Zeolite Catalysts"Catalysis Surveys from Asia. 7. 133-144 (2003)
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[Publications] T.Masuda: "Peculiar Diffusion Mechanisms within Micropores of Zeolite Catalysts"Journal of the Japan Petroleum Institute. 46. 281-294 (2003)