2004 Fiscal Year Annual Research Report
非平衡RFプラズマ空間中に浮遊する微粒子の動力学的挙動の解析
Project/Area Number |
15360413
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 学 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70178953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 喜久夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00101197)
WULED Lenggoro 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10304403)
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Keywords | プラズマダスト / プロセスプラズマ / 低温プラズマCVD / エアロゾル / 凝集成長 / 荷電 / レーザ光散乱計測 |
Research Abstract |
本研究では、非平衡RFプラズマ場で発生する微粒子の性状と輸送に関する計測データの取得にもとづいて、微粒子の成長過程および輸送現象をモデル化により理解することを目的として研究を行った。本年度の研究成果の概要は、以下のとおりである。 (1)シリコンの有機化合物であるTEOSガスを原料としてSiO_2薄膜のプラズマCVD成膜を行い、発生した微粒子をレーザ光散乱法と吸引法により計測し、微粒子のサイズと個数濃度の、プロセス条件に対する依存性を明らかにした。また、プラズマ場特性データの計測とシミュレーションも行い、その結果を後述する(3)の検討に供した。 (2)CVDリアクターにサイズ、濃度が既知の試験粒子を導入し、プラズマ時およびポストプラズマ時の粒子の動きをレーザ光散乱法と吸引法で観測した。その結果、プラズマ時では微粒子はプラズマシース領域に比較的安定に捕捉されるが、捕捉の状態はプロセス条件に強く依存することが分かった。また、微粒子の基板への輸送は、主としてポストプラズマ時に生じることも分かった。 (3)TEOSガスからのSiO_2薄膜製造で発生する微粒子についても、プラズマ時およびポストプラズマ時の粒子計測を行い、上記(2)で述べた微粒子挙動が、実際の成膜プロセスでも生じていることを明らかにした。 (4)エアロゾルの輸送方程式に、プラズマ中の微粒子に働く力(流体抵抗力、クーロン力、イオン粘性力、重力、熱泳動力)を考慮し、さらに微粒子の新しい荷電モデルを組み込んだ、プラズマ中微粒子の輸送シミュレータを作成し、これを用いた数値計算を開始した。これまでに、(2)で述べたプラズマ時の粒子の捕捉挙動をシミュレーションによりうまく再現できることがわかった。 (5)プラズマ中粒子の凝集成長シミュレータの改良を行った。また、これを(4)の輸送シミュレータと結合することに着手した。
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Research Products
(12 results)