2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチャネルを流路に用いたナノ微粒子の連続水熱合成システムの開発
Project/Area Number |
15360416
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新井 邦夫 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 教授 (10005457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野中 利之 東北大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50237856)
渡邉 賢 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (40312607)
阮 炯明 東北大学, 大学院・環境科学研究科, 助手 (80400456)
陶 究 日本大学, 生産工学部, 助手 (60333845)
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Keywords | 超臨界水 / 水熱合成 / 金属酸化物 / ナノサイズ微粒子 / マイクロチャネル / 溶解度 / 流通式装置 |
Research Abstract |
近年、その用途の多様性から注目を集めているナノサイズ金属酸化物微粒子の新規合成法として、申請者のグループが提案している急速昇温式超臨界水熱合成法の特徴を最大限に引き出すために、本年度は下記の点について研究を行った。 昨年度に引き続きマイクロ混合物を有する流通式超臨界水熱合成装置において、ナノサイズ微粒子合成を行った。異なる金属の硝酸塩を用い超臨界水中で水熱合成実験を行い、転化率、生成粒子の平均粒径、結晶化度を評価した。また、申請者らのグループが開発した超臨界水中での反応平衡定数推算モデルを用い、反応条件における各金属酸化物の溶解度を計算し、過飽和度を評価した。その結果、過飽和度と粒径、転化率、結晶化度は良好に相関することが明らかとなった。この関係を用いれば、所望のサイズの粒子の合成条件をあらかじめ設定することが可能となった。 次に、複合金属酸化物微粒子についても、同様の計算手法で溶解度計算を行い、副生成物が生成せず、目的生成物が単一相で得られる条件を計算し、実際に合成実験を行った結果、生成物の結晶相は予測と良好に一致し、流通式水熱合成法と溶解度推算手法を組み合わせたナノサイズ複合金属酸化物の合成手法としての有効性を例証することができた。また、例えばNiFe_2O_4微粒子合成などでは化学量論比ではなく、一部Niが欠損した組成の微粒子が得られた。これは、急速昇温法した際、溶解度の低いFeは酸化物の前駆体として完全に析出するのに対し、Niは溶解度が高いため一部のみがFeの酸化物前駆体内に取り込まれ、これによりNiが欠損したNiFe_2O_4微粒子が合成したと考えている。この結果は、本手法が非平衡組成の複合金属酸化物微粒子の合成手法としての利点を有していることを示唆している。
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Research Products
(4 results)