2004 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素を利用したナノプレイティングに関する研究
Project/Area Number |
15360418
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
斎藤 拓 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (90196006)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 清蔵 東京農工大学, 本部, 学長 (90015066)
渡辺 敏行 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (10210923)
臼井 博明 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (60176667)
曽根 正人 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助手 (30323752)
|
Keywords | 電気めっき / ナノ組織金属 / 超臨界流体 / 二酸化炭素 / エマルジョン / 界面活性剤 / 硬度 / 面粗度 |
Research Abstract |
平成15年度までにおける研究において、1)超臨界二酸化炭素は電解質溶液とは混合しないが少量の界面活性剤を添加することによりエマルジョン化が可能であること、このエマルジョン化により液面が上昇することで系全体が通電してプレイティングが均一に行われることを見出した。この方法は超臨界流体技術とめっき技術を融合させたものであることから、低環境負荷型超臨界流体ナノプレーティング法と命名された。それは超臨界二酸化炭素の持つ洗浄及び乾燥効果と、界面活性剤を用いて電解質溶液を1/5以下に減少させるエマルジョン効果を利用した完全クローズドシステム化した新規な表面処理法と考えられる。 平成16年度において、超臨界ナノプレイティング法により得られたニッケル金属皮膜は従来のめっき法で作製された膜と異なり、ピンホールが無くレベリングも高く、更に金属粒径が10nmと非常に細かく緻密であり硬度も高いのでドライプロセスのように薄膜化が可能となることを明らかにした。具体的には、通常の方法で560Hvの硬度の皮膜を生成させるニッケルめっき液で超臨界ナノプレイティング法を行ったところ、680Hvの硬度のニッケル皮膜が得られた。また、通常電気めっきは面粗度が悪化する方向に皮膜成長が行われるのに対し、面粗度が33nmの基板の上に超臨界ナノプレイティング法によるめっきを行うと、面粗度20nmを達成する均一な高性能膜が生成することをわかった。 さらに、超臨界ナノプレーティング法を、パラジウムめっきにも応用した。この結果、通常粒状に析出しやすいパラジウムめっき液も超臨界ナノプレーティング法を用いることにより、ピンホールのない均一な皮膜が得られ、硬度も50Hvから120Hvにも向上した。 以上のようにして、超臨界ナノプレイティング法により、既存の電気めっき法では作成不可能な高品質の金属皮膜を作成可能であることが明らかになった。
|
Research Products
(27 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] 光機能性分子の科学2004
Author(s)
堀江一之, 牛木秀治, 渡辺敏行
Total Pages
243
Publisher
講談社サイエンティフィック
Description
「研究成果報告書概要(和文)」より
-