2004 Fiscal Year Annual Research Report
ポリアニオンナノシートを用いる新規固体酸触媒の開発
Project/Area Number |
15360427
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 亨和 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (70272713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 淳子 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (60234936)
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Keywords | 層状金属酸化物 / 固体強酸 / ポリアニオンナノシート / 酸触媒反応 |
Research Abstract |
プロトン交換したカチオン交換性層状金属酸化物は固体強酸のポテンシャルをもつ材料であるが、狭い層間にあるブレンステッド酸を反応に利用することはできない。しかし、ある種の層状金属酸化物のアニオン性2次元金属酸化物単結晶シート-ポリアニオンナノシート-をソフトケミカル的手法で剥離し、これをランダムに再凝集させると、このブレンステッド酸は表面に露出し、反応に利用できるようになることを我々は見出した。これまでの研究から、いくつかのポリアニオンナノシートが新しい固体強酸触媒として様々な酸触媒反応に高い活性を示すことが明らかにした。これらのポリアニオンナノシートでは架橋型水酸基M-OH-Nb(M : Ti, Ta, Nb)が90%以上の濃硫酸の酸強震をもつ強酸点として働いている。 また、申請者は独自の発想に基づき、全く新しい、革新的な固体強酸-カーボン系固体強酸-の創生に成功した。この材料は10〜20個の芳香族6員環からなる多環式芳香族炭化水素で構成されたアモルファスカーボンであり、全炭素原子の約10%にスルホン酸基が結合している。この材料は(1)フッ素系高分子固体酸ナフィオンの5倍、強酸性陽イオン交換樹脂アンバーリストと同等のスルホン酸密度を有し、(2)あらゆる溶媒に不溶であり、熱的・化学的に安定であり、(3)種々の酸触媒反応で硫酸と同等、あるいはそれを上回る酸触媒活性を示す。現在、この材料をベースに、触媒反応の開拓、更なる高性能化、安定な固体超強酸・プロトン良導体の創生、固体強塩基の創生、構造・メカニズムの解明といったアカデミックサイドの研究と、触媒、燃料電池に関する実用化・商品化開発を幅広く展開している。
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