2004 Fiscal Year Annual Research Report
高度不飽和脂肪酸含有構造燐脂質の酵素合成と機能評価
Project/Area Number |
15360438
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山根 恒夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70026102)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 雄吾 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 講師 (50273214)
道川 誠 国立長寿医療センター, 室長 (40270912)
|
Keywords | ホスファチジルセリン / ホスホリパーゼD / 構造リン脂質 / ドコサヘキサエン酸 / 老人性記憶力減退 / 培養神経細胞 / アミロイドベータタンパク質 / 神経毒素 |
Research Abstract |
リン脂質の極性基および脂肪酸を単一化し、一定の性質を持つように改変した構造リン脂質を合成し、それらの高度不飽和脂肪酸を含んだ構造リン脂質の生物活性を明らかにするため、昨年度に引き続き以下の研究を行った。 1)天然リン脂質として入手が容易なボスファチジルコリン(PC)とドコサヘキサエン酸(DHA)から1,2-didocosahexaenoyl-phosphatidylcholine(DD-PC),1,2-didocosahexaenoyl-phosphatidylserine(DD-PS),1-oleoyl-2-docosahexaenoyl-phosphatidylserine(OD-PS)など各種の構造リン脂質を化学的方法(脱アシル化によるglycerol-phosphorylcholineとそのエステル化)と酵素(phospholipase A_2とphospholipase D)とを組み合わせて合成した。 2)得られた脂質をラット胎児脳から調製した初代培養神経細胞に添加し、その影響を細胞死に伴って細胞から放出される安定な酵素であるLactose dehydrogenase(LDH)活性を用いて評価した。また、Amyloidβタンパク質(Aβ)というアルツハイマー病脳細胞において顕著な蓄積が確認され、神経細胞死を引き起こす蛋白質を加えた培養系に各種脂質を添加し、細胞保護作用の有無をLDH活性で評価した。 実験に使用した各種燐脂質には培養条件により生ずる自然細胞死を抑制する作用は確認出来なかった。しかしながら、DD-PC, DD-PS, OD-PSのAβ毒性に対する神経細胞保護作用が確認され、これら構造リン脂質の有効性が明らかとなった。
|
Research Products
(3 results)