2004 Fiscal Year Annual Research Report
デザイナブルプロテオミクスによるガン免疫賦活ペプチドの設計
Project/Area Number |
15360439
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本多 裕之 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70209328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国松 己歳 名古屋女子大学, 家政学部, 教授 (70145746)
井藤 彰 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60345915)
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Keywords | ペプチド / バイオインフォマティクス / ガン / 免疫賦活 / ペプチドチップ / 網羅的 / HSP70 / Fas ligand |
Research Abstract |
ペプチドは、タンパク質の一部でありながら構造が単純で、合成が容易で、機能性分子として幅広い応用が期待されている。本研究では、チップ上でペプチドの機能を網羅的に解析できるペプチドチップシステムの結果を計算科学的に解析し、新規な機能性ペプチドを設計するための手法、デザイナブルプロテオミクスを確立することを目的とする。昨年度に引き続き下記の二つの検討を行った。 1)情報処理的手法による機能性ペプチドのデザイナブルプロテオミクス (1)細胞死ペプチドのデザイン・・・昨年度発見した細胞死誘導ペプチドCNNLPの1残基置換ペプチドチップを作成し、アッセイした結果を知識情報処理手法で解析した結果、N末端から3残基までが重要で、特にN末端のアミノ酸残基は小さめで官能基の立体配置が似通っているバリン、スレオニンがよいという知識が得られた。 (2)変異リパーゼのデザイン・・・新たにリパーゼの活性に関与する4残基について、1残基置換変異体の基質特異性に関するデータを入手し、特異性が変化した17クローンの配列データを知識情報処理手法で解析した。その結果、226番目の残基の疎水度が高い方が良く、117番目と167番目のアミノ酸残基の大きさは凸凹の関係になっていることが重要であるという知識が得られた。この結果に基づき、活性が変化する新規の変異体のデザインを行い、wetの実験では漏れていた変異体があることを突き止めた。 2)ガン免疫賦活ワクチンペプチドの開発を目指したHSP70結合配列の探索 ガン抗原はガン細胞で特異的に、あるいは多量に発現しているタンパク質の中のペプチドのうちHLAに提示されやすいペプチドであるといわれている。提示はHSP70を介して行われ、HSP70自体もガン細胞で多く発現するタンパク質であるので、HSP70に結合しやすいHSP70上のペプチド配列の探索を行った。その結果、VMTALIKRNなど十数個の候補ペプチドが探索できた。 今後は、これら候補ペプチドとHSP70の複合体を形成させ、CTLの活性化試験を行い、in vivoでの免疫賦活効果の検証を行う。
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Research Products
(2 results)