2003 Fiscal Year Annual Research Report
次世代超音速機のエンジンのNOX生成機構と環境に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
15360446
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 通方 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60011194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津江 光洋 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (50227360)
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Keywords | 成層圏 / オゾン / 窒素酸化物 / 光化学反応 / 排気プルーム / Expanding Box法 |
Research Abstract |
本年度は,航空機から排出される窒素酸化物(NOx)が成層圏環境に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,数値解析による調査を行った.高度25kmおよび21kmの成層圏環境において,航空機から排出された排気プルーム中におけるNOx, HOxおよびオゾン反応系の機構をExpanding Box法を使用することにより明らかにすることを試みた.また,感度解析によりこのような反応系に詳細な考察を行った.排気される時刻の影響を調べるため,排気時刻として,6時,12時,18時および24時の4条件を設定し,計算を行った.その結果,以下のことが明らかになった. ・高度25kmにおいて排気ガスが排出された場合,排気72時間後においてオゾン濃度は1ppb以内まで回復しない.高度25kmで排気された方が,高度21kmの場合に比べてオゾンの減少量が大きい. ・排気プルームが日中(太陽光の存在)に排気された方が,夜間に排出される場合に比べて,オゾン濃度の減少量は大きい.また,オゾン濃度の時間変化は排出される時刻に大きく影響を受ける. ・排気プルームが排出された際,周辺雰囲気に対するNO濃度の変化量の時間経過は排出される時刻にほとんど依存しない.硝酸についても同様であった. ・排気プルームが排出された際,周辺雰囲気に対するNO2の変化量の時間経過は排気される時刻に依存し,また太陽光強度の変化に大きな影響を受ける.これは,NO2濃度が光化学反応の影響を大きく受けることによるものと考えられる.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 中谷辰爾, 笠原希仁, 津江光洋, 河野通方: "NO_2の光解離を利用したNO-LIF法による流速測定法"日本機械学会論文集(B編). 69-686. 2299-2304 (2003)
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[Publications] Nakaya, S., Kasahara, M., Tsue, M., Kono, M., Shiba, S.: "A Study on Reactions of NOx and O3 in Exhaust Plume in Stratopheric Condition"The Fourth Asia-Pacific Conference on Combustion. 185-190 (2003)