2003 Fiscal Year Annual Research Report
鋼鉄製海洋構造物の電気防食によって生成する石灰質膜の二重層構造の解明
Project/Area Number |
15360457
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
樫木 勇 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助教授 (60001624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 翼 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 教授 (90002089)
赤嶺 健一 石川島播磨重工業, 生産技術開発センター, 課長
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Keywords | 海洋構造物 / 電気防食 / 石灰質皮膜 / 二重層構造 / 間隙水 / 分配平衡定数 / 拡散層 / カソード電極反応 |
Research Abstract |
近年、人類活動に海洋空間の利用する傾向が強まっている。このためには、海水中での種々の海洋構造物の構築が必要となる。海洋環境は構造物を維持するという点で陸上のそれと比べて非常に過酷であるから、これに伴って、海洋構造物の維持管理が重要な課題となる。鉄製海洋構造物の有力な維持法の一つとして、石灰質沈着を伴うカソード防食法(CP)がある。我々は既に^<1)>鉄製海洋構造物に沈着した石灰質被膜が明確な境界を有するMg(OH)_2とCaCO_3の二重層から成っていることを明らかにした。本課題では、この二重層の個々の構造を別々に解析する簡潔な方法を提案し、その妥当性を検討すること目的として研究を進めた。言うまでもなく、沈着物を伴うカソード防食で石灰質沈着物は主要な部分を占めるから、その詳細な構造を知ることは非常に重要である。 その二重層構造解析法は、沈着物中の間隙水が親水性の差に従って、それらの層に分配されるという仮定に基づいている。この仮定によって、二重層に関する様々な構造因子を理論的に導出した。 この二重層構造を解析するための理論的モデルの正当性を検証するために、定電流密度および定温度下で陰極周辺の海水の流動状態を変化させるか、または、海水を希釈するかにより、種々のCa/Mg比を有する石灰質沈着膜を作製した。これらの沈着物に上記のモデルを適用した結果、様々な沈着物の実験的構造因子と理論的構造因子がほぼ一致し、このモデルが二重層構造を解析するために有効であることが判った。この結果は、既に学術誌に投稿済みである^<2)>。 1)K.Akamine, I.Kashiki : Corrosion Protection of Steel by Calcareous Electrodeposition in Seawater (Part 2) -Mechanism of Growth-, Zairyou-to-Kankyou, Vol.52, pp.401-407(2003). 2)K.Akamine, I.Kashiki : Corrosion Protection of Steel by Calcareous Electrodeposition in Seawater (Part 4) -Mechanism of Growth-, Zairyou-to-Kankyou (Corr.Eng.), submitted.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] I.Kashiki, K.Akamine: "Corrosion Protection of Steel by Electrodeposition (Part 2)"Kankyou-to Zairyou. 52. 401-407 (2003)
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[Publications] I.Kashiki, K.Akamine et al.: "Behavior of Emulsified Fuel (Orimulsion^<TR>) in Saline Waters"Bulletin of the Society of Sea Water Science, Japan. 57. 508-516 (2003)