2006 Fiscal Year Annual Research Report
港内水面の長周期振動を誘発する長周期重力波浪のGPS観測システム開発と特性解析
Project/Area Number |
15360466
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河口 信義 神戸大学, 海事科学部, 教授 (90234690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 廣史 神戸大学, 海事科学部, 教授 (60031473)
出口 一郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00029323)
藤井 英信 大島商船高等専門学校, 教授 (10043928)
久保田 崇 大島商船高等専門学校, 助手 (40413843)
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Keywords | 長周期波浪 / GPS / 波浪情報計測 / GPSブイ / 船舶動揺計測 / 波向き計測 |
Research Abstract |
前年度までに、長周期重力波浪を観測するためのGPS観測システムにおいて、信号処理方法およびハードウェア-構成をより充実させ、さらに基地局-移動局間無線によるデータ伝送によって実時間に近い計測が可能となるように検討およびシステムを構築することで、複数のGPS受信機(一つは陸上に固定、他はアレー配置したブイ上に設置)を用い、長周期重力波浪の波向き計測についてテレメトリー観測が可能であるシステム構築を行い、前年度まで行ったことを継続・充実させるために信号処理方法およびハードウェア-構成を拡充させ、ほぼシステム的に完成したと考えられる。 そこで今年度は、昨年に引き続き夏期に長周期重力波の影響を多く受けると考えられる鹿児島県志布志港において、港付近の数点で長周期重力波浪の精度良い波情報の計測を行うと同時に、港内に係留しているフェリーの船上に同様のGPS受信機を設置し、港内係留船舶の動揺への影響について計測を行い、これら重力波が与える船舶動揺の特性に関する解析を行った。 本実験から、港外ブイによる波浪情報計測の結果から約10秒の短周期波浪が、港内ブイによる波浪情報計測の結果か、短周期約10秒および長周期約50秒の長周期波浪が観測され、それらの結果から50秒の長周期波は港固有の共振周期による波浪であることが推測された。また、係留船舶の動揺計測による解析結果にも10秒と50秒による動揺が現れており、今後さらに実験を実施し解析を進めることで長周期波浪がどのように係留船舶に影響するかが詳細にわかると考える。 本研究の4年度にわたる研究期間を通して、長周期重力波のGPS観測システム開発および港内水面振動および係留船舶への影響を実施してきた。観測システムはほぼ完成を見たが残念ながら台風発生時期における長周期重力波の観測は短期的な実験実施と台風発生時期を時間的に一致させることがかなり困難であることから、十分な実験結果が得られていないが、出来れば次年度以降も引き続き実験および解析を継続し、港内航行、作業、および係留船舶への安全情報を伝達するための警報システムの構築を行うことで、長周期波浪による港内海難事故の防止につながることがおおいに期待される。
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Research Products
(6 results)