Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡 長洪 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (20274532)
末吉 誠 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (80380533)
中村 昌彦 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40155859)
高木 健 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90183433)
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Research Abstract |
今年度に行った研究をまとめると下記のとおりである。 1)CIP法をベースとした数値計算法の検証を重点的に行った。まず,昨年度と同じ2次元模型を用いて,浮体の甲板上へ水が打ち込む場合も含め,造波水路での浮体動揺計測実験をもう一度行った。それに対応する数値計算を実行し,概ね実験結果と一致する結果を得た。ただ,入射波の振幅が小さく,甲板上への打ち込み水がない場合のheaveの結果に少し違いが見られたので,その原因を流体力ベースで調べるために,heaveの強制動揺試験を実施し,線形ポテンシャル理論による計算結果とも比較した。計算値は,減衰力係数において実験値より高周波域で小さくなる傾向があり,これは粘性流体力の計算にまだ問題が残っていることを示唆している。 2)実際に近い3次元模型船を製作し,大振幅波中での甲板打ち込み水・青波による圧力を計測した。圧力の計測位置として,取り敢えず船体中心線上で水平な甲板上および垂直な壁面上の6箇所を選んだ。船速はフルード数がFn=0.0,0.15,0.20の3種類,波長はλ/L=0.75,1.0,1.25の3種類を選び,波浪中での動揺(surge, heave, pitch)を固定した場合,自由とした場合の2状態に対して計測を行った。さらにそれぞれの実験を高速ビデオで撮影した。これらに対応する数値計算も実行した。 3)MPS法による海水打ち込み,波浪中での浮体動揺の計算についても,実験との比較による検証を重点的に行った。MPS法による計算時間を短縮するために,水槽における水深および波の伝播方向の長さを小さめにし,実験もそれに対応するように設定して行った。進行波が伝播するにつれて少しずつ振幅が小さくなるので,浮体の動揺振幅も実験値より小さくなる傾向がある。またsway方向の漂流運動が実験と計算で異なっていることがわかった。これは水槽端からの反射波や浮体運動を自由にしているキャリッジの摩擦などが原因と考えられたので,CIP法と同様に流体力ベースでの計算法の検証も行った。
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