Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
歌田 久司 東京大学, 地震研究所, 教授 (70134632)
深尾 良夫 JAMSTEC, 地球内部変動研究センター, センター長(研究職) (10022708)
武井 康子 東京大学, 地震研究所, 助教授 (30323653)
小河 勉 東京大学, 地震研究所, 助手 (00345175)
中尾 茂 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (90237214)
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Research Abstract |
本研究の目的は,高精度弾性波測定システムの導入による,地下空間地層環境モニタリングシステムの開発,および既存の観測系の結果を総合し,地下空間内部および外部の環境を支配するメカニズム,すなわち物質および熱の地下空間内外の移動メカニズム,微小応力変化ときれつのネットワーク挙動,および地下水の移動や熱の移動メカニズムを地球物理的手法の観点から検討することである.一般に,微小な変化をとらえるために,地下観測壕のような気象変動等の外的擾乱の小さな場所が選択される.その結果,計測される変化量も僅かとなり,複数の物理量の比較観測を実施しても複数のモデルの絞込みが困難なことが多い.本研究のテストサイトに選定したパリ地球物理研究所が観測を実施しているアルプスの観測壕は,気象変動による擾乱がおさえられているだけでなく,隣接するダム湖の水位の年周変動が60mに達するので,ショートタームで変動する僅かな変化量のモデリングの絞込みにロングタームで変化する大きな外力変化が利用できるという特徴を持っている.システム導入にあたり,DC12V以上の壕内配線が許されないこと,および降雪により冬期間,ほぼ半年にわたってアクセス不能となることがわかった.そこで地震研究所において慎重にテストした後,今年度7月に発振系および受信系の導波棒を岩盤に固定し,10月に観測機器を設置,連続観測を開始した.実験サイトには電話回線があるが,通信速度の制限のためオフライン設計である.幸い,フランスの共同研究者が設置している監視カメラを利用することができたので,動作確認のみが可能である.本報告書を書いている現在,無事,システムは稼動しているので,雪解けを待って,データ回収する予定である.
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