2004 Fiscal Year Annual Research Report
火山・地熱活動評価のための放熱量測定手法に関する研究
Project/Area Number |
15360476
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤光 康宏 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10264095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江原 幸男 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10002346)
西島 潤 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40315114)
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Keywords | 微気象観測 / 赤外熱映像 / 地熱流量係数 / 放熱量調査 / リモートセンシング / 雲仙地熱地域 |
Research Abstract |
微気象観測で測定される各項目や地熱流量係数の時間変化を把握するために自動観測装置を試作し、雲仙地熱地域内の旧八万地獄で微気象の連続観測を行い、熱収支法による放熱量の推定を行った。 2004年9月8日から13日まで10分間隔で実施され、機器への電力供給が正常に行われ有効と判断された8日17時20分から10日15時50分までの微気象観測の測定値から算出された地熱流量係数は、時間変化が激しく非常に幅広い範囲の値を示すが、観測期間が短いものの湿度とは逆相関が見られた。今回示唆された地熱流量係数と各要素との関係が明確になれば、微気象観測を実施しない熱収支法の適用においては、地表での噴気(蒸発)状態の注意深い判定や、場合によっては湿度測定が必要になると思われる。 また、長崎県小浜町が長崎県に依頼した普賢岳・雲仙地域を対象とする防災観測の一環として、長崎県防災ヘリコプターから撮影した赤外熱映像を用いて算出した放熱量は、9日10時47分ごろに対象地域上空を飛行したため、10時40分と10時50分の地熱流量係数の値を用いて計算した結果、前者が後者より約27倍大きくなった。ほぼ同時刻に行われた従来の方法での微気象観測で決定した地熱流量係数の値は自動観測による2つの値の間にあり、撮影前後1時間ずつ、合計2時間の微気象各要素の平均値から算出された地熱流量係数に近いものとなった。これらのことから、熱収支法による放熱量推定の高精度化のためには、赤外熱映像の撮影と同時刻の微気象データが必要であると思われる。しかし、微気象条件により地熱異常分布が変化し、放熱量としては同程度となる可能性については新たな問題点であり、今後この点を明確にする必要がある。
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Research Products
(1 results)