2003 Fiscal Year Annual Research Report
スパイラル構造体を支保部材とする岩盤支保技術の開発
Project/Area Number |
15360478
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
平田 篤夫 崇城大学, 工学部, 教授 (20279376)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 昌大 崇城大学, 工学部, 教授 (20040389)
荒牧 憲隆 崇城大学, 工学部, 講師 (00299661)
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Keywords | スパイラル形状 / 縫い付け / せん断強度 / ネイリング / ロックボルト / 全面定着 / グラウンドアンカー / 押込み杭 |
Research Abstract |
スパイラル構造体は、板状鋼材にねじりを加えたものであり、軟弱地盤あ基礎杭などに既に適用され、地盤を乱さない急速基礎施工法として大いに有望視されている。従来の杭などに代表される基礎構造物は地盤に基礎を設置する際に地盤を掘削することが必要である。人為的な力を加えて地盤を乱すと地盤は本来の強度を失う。そのため、地盤を乱さない基礎施工法は地盤本来の強度を有効に活用できる点で理想的である。また、その構造上の特徴から押し込みに対すると同様に引き抜きに対しても地盤への作用は等しく期待できる。さらに、地盤に穿孔したボアホール中に棒状体を挿入して孔全体をグラウトする全面定着型工法にもスパイラル構造体が容易に適用可能である。 スパイラル構造体が所定の設置深度までねじ込まれた後、スパイラル構造体の軸方向に外力が作用する場合を考えるとき、スパイラル構造体の軸方向回りの回転を抑制しなければならない。回転を伴う引き抜きや押し込みは、回転を伴わない場合と比べてはるかに容易であるので回収が必要なときには容易に引き抜くことができる。逆に、回転を抑制してスパイラル構造体を引き抜く(押し込む)とせん断破壊部が各横断面の両端部に沿って形成される。両端部はスパイラルを形成しながら軸方向に連続しているので、せん断破壊部も両端部に沿った2本の帯状せん断領域が形成される。さらに引き抜く(押し込む)とこのせん断帯の幅は拡がり、最終的に両端部のせん断帯が連結して抵抗体としての支持能力を失うことになる。 以上のように、スパイラル構造体が地盤に課置された状態下で軸方向変位が発生したとき地盤に及ぼす影響が明らかになった。今後は、このメカニズムに基づいた具体的な設計手法を検討する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 平田篤夫: "新たな全面定着型グラウンドアンカー工法の提案"(社)熊本県法面保護協会会報-のり面保護-. No.26. 19-27 (2003)
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[Publications] 平田篤夫: "スパイラル構造体のグラウンドアンカーへの適用に関する基礎的検討"資源素材学会平成5年度春季大会講演概要集. 183-184 (2003)
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[Publications] 古梶繁夫: "スパイラル構造体のグラウンドアンカーへの適用に関する性能試験"資源素材学会九州支部平成15年度春季例会講演集. 16-18 (2003)
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[Publications] 後藤常郎: "スパイラルアンカー工法"資源素材学会誌. 119・8. 494-495 (2003)
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[Publications] 古梶繁夫: "スパイラル構造体のグラウンドアンカーへの適用に関する適用試験"資源素材学会平成15年度秋季大会講演集. PY-2 (2003)
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[Publications] Atsuo HIRATA: "Dilation stress in borehole induced by a spiral anchor"Proc.of 3^<rd> ROCK STRESS 2003 in Kumamoto. 499-505 (2003)