解体・リサイクル性能を高めることによる「まちなか一戸建住宅」の居住性向上

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15360486
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: Kinki University
• Principal Investigator: 森本 信明 近畿大学, 理工学部・建築学科, 教授 (50092903)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 棚田 成紀 近畿大学, 薬学部, 教授 (20075948) ; 池田 哲朗 近畿大学, 理工学部・建築学科, 教授 (50026150) ; 立山 英二 近畿大学, 理工学部・建築学科, 教授 (80088426) ; 前田 享宏 近畿大学, 理工学部・建築学科, 助手 (70088483) ; 川崎 直人 近畿大学, 薬学部, 講師 (60271409)
• Keywords: リサイクル / 解体性能 / 耐震補強 / メルトプレート工法 / ホームエレベータ / リフォーム / 内装材料 / 新金物構法

Research Abstract

平成15年3月に竣工した近畿大学リサイクル型まちなか一戸建実大実験棟を利用して,以下のような実験・研究を行った。
<新金物構法棟における大規模リフォームに関連して>担当:森本・前田
(1)吹き抜け空間の増床工事における新金物構法による梁の後付工法の検証を行い,内装材の若干の解体を行うだけで,梁を比較的容易に増設できることを確認した。
(2)ホームエレベータの増設と,車椅子による垂直移動性能の検討を行い,エレベータの後付に伴う補強梁の導入が比較的容易に行えること,玄関から直接乗車できるエレベータの移動性能の問題点が明らかとなった。
(3)メルトプレート工法による内装下地ならびに床材料等の剥離検証を行い,石膏ボードについては解体後の分別が容易に行えること,工法の適用範囲が床材,壁材にも拡大しうることを確認した。
<新しい工法の検討>担当:立山・森本・前田
(1)現在の筋違による耐震補強に代わる,パネル筋違を挿入することによる耐震補強の可能性を検討するため,その実験装置を作成し,テスト試験を行うことにより,パネルの有効性に対する見通しをえた。
(2)既存の布基礎に代え,ベタ基礎の上にコンクリート・もしくは鉄骨と木材とを組み合わせた土台(ハイブリッド土台)を組み合わせるアイデアの模型による提示を行った。
<VOC(揮発性化学物質)の拡散・吸着実験>担当:棚田・川崎
(1)ホルムアルデヒド濃度の経時変化と気温との関係(2)竹炭使用時のホルムアルデヒド除去能(3)ホルムアルデヒド分解・除去ボード(ハイクリーンボード)の効果(4)ホルムアルデヒド濃度の経時変化と気湿(湿度)との関連性(5)コーヒー抽出液添加水蒸気によるホルムアルデヒドの濃度変化(6)ジャスミンオイル添加水蒸気によるホルムアルデヒドの濃度変化について検討した。
<在来構法棟における吸放湿材の効果測定実験>担当:池田
(1)在来構法棟1階北室を利用して,吸放湿材を室内に貼付し,その効果を測定した。また在来棟全体の温湿度環境についての測定を行った。
これらの実験結果は,2004年5月に第二次報告書として公表を予定している。

Research Products

• [Publications] 森本 信明: "住宅の地域性について"住宅. Vol.53. 34-40 (2004)
• [Publications] 水上雄二, 池田哲朗, 翁長博: "野外実験住宅における各室温湿度性状と予測計算法の検証"日本建築学会近畿支部研究報告集. 361-364 (2003)
• [Publications] 水上雄二, 池田哲朗, 翁長博: "野外実験住宅における各室温湿度性状と予測計算法の検証(その1)"日本建築学会学術講演梗概集. 409-410 (2003)
• [Publications] 水上雄二, 池田哲朗, 翁長博: "野外実験住宅における各室温湿度性状と予測計算法の検証(その2)"日本建築学会学術講演梗概集. 411-412 (2003)