2004 Fiscal Year Annual Research Report
直線型閉ダイバータ摸擬実験装置を用いた電離フロントの往復運動に関する研究
Project/Area Number |
15360496
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
佐藤 国憲 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (70126861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増崎 貴 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (80280593)
武藤 貞嗣 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (40260054)
舟場 久芳 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (40300727)
尾田 年充 広島国際学院大学, 工学部, 教授 (60034550)
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Keywords | 核融合 / ダイバータ / デタッチ・プラズマ / 模擬実験装置 / 電離 / 再結合フロント / 自励振動 / 安定性 / プラズマプラギング |
Research Abstract |
申請者等は,当研究所における直線型プラズマ生成装置TPD-IIを用いた閉ダイバータ模擬実験において「デタッチプラズマの往復運動」というべき現象を発見した。その現象は,閉じ込め装置のダイバータにおけるデタッチプラズマの振る舞いを理解する上での多くの示唆を含んでいる。当直線型装置の基礎研究を通してその現象を理解し,閉じ込め装置のデタッチプラズマの制御法にフィードバックさせることを目指した。振動が励起される上で実験上の重要なセットアップは閉ダイバータにおけるバッフルを模擬したオリフィスである。発見された振動はオリフィスをまたぐように現れる。初年度の研究成果として,デタッチプラズマの往復運動の機構に対して原子分子過程の重要性を示唆する実験結果を得た。いろいろな注入ガス種に対するデタッチプラズマの振動の特徴を調べたところ,特に水素を注入した場合,ヘリウムやネオンなどの場合と比べ,振動が弱まることを観測した。これは,振動の機構におけるデタッチプラズマ先端部における密度勾配の形成に,原子・分子過程が強く関与していることを示している。最終年度の成果は,上流プラズマ圧とガス種をいろいろ変えた実験,すなわち静電ラングミュアプローブのイオン飽和電流,可視分光,そして中性ガス圧の測定を通して得られたものであり,振動の振幅や周期に関する物理的な理解が深まったことである。振動の振幅は上流プラズマ圧の増加に対して増加する。上流プラズマ圧はオリフィスにおけるプラズマプラギングを生み出す。プラズマプラギングが振動の振幅を決めている。一方,振動の周期はプラズマプラギングによって実質的に小さい値となるオリフィスのコンダクタンスが決定している。
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Research Products
(2 results)