2004 Fiscal Year Annual Research Report
2台の重イオンビームプローブによるトロイダルプラズマの構造とダイナミクスの研究
Project/Area Number |
15360497
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
藤澤 彰英 核融合科学研究所, 粒子加熱プラズマ研究系, 助教授 (60222262)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井口 春和 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助教授 (40115522)
井戸 毅 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (50332185)
清水 昭博 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 助手 (00390633)
伊藤 公孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (50176327)
佐貫 平二 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (80109355)
|
Keywords | トロイダルプラズマ / ゾーナル流 / 重イオンビームプローブ / 乱流 / CHS / 内部電場 / 長距離相関 / 乱流輸送 |
Research Abstract |
磁場閉じ込めプラズマ中の乱流は粒子・運動量・エネルギーの輸送を支配しプラズマの熱力学的構造を決定する。Hモードが発見された1982年以来、乱流輸送の分岐によっておこる様々なトロイダルプラズマの構造が観測されている。20年以上に渡る研究の結果、プラズマ中の内部電場(流れ)の分岐に伴うシアー構造が乱流および輸送に影響を与え、構造の分岐が起こりうることが示された。 また、最近のシミュレーションや理論によって、プラズマ乱流はレイノルズ応力を通じてメゾスコピックな流れ(ゾーナル流)の構造が生じ、両者の相互作用が乱流の飽和レベルや輸送に根源的な影響をもつことが予想されている。これは、1)乱流と輸送に寄与しないゾーナル流の間に近似的にエネルギーの保存関係が成立すること、2)ゾーナル流がもつ時間的に変化するシアーが輸送を制御することによる。 近年、ゾーナル流の存在を実験的に確認する事は、燃焼プラズマ達成の予測に関わる重要な要件となっている。本科研費の援助によって、CHS(Compact Helical System)では2台の重イオンビームプローブをもちいて、本年度の実験において、トロイダルプラズマ中にゾーナル流が存在する事を世界に先駆けて明らかにした。その成果はPhys.Rev.Lett.誌に発表されている。論文中ではゾーナル流の同定に必要条件である電場揺らぎの長距離相関あるいは対称性を示し、ゾーナル流のダイナミクスおよび径方向の構造が報告されている。 ゾーナル流は自然界に普遍的に見られる現象である。たとえば、木星をはじめとする回転する惑星の縞模様や地球のジェット気流、太陽のタコクラインなどである。本研究成果はゾーナル流の観測は、天体にて起こる様々な乱流現象の解明につながるものであろう。
|
Research Products
(2 results)