2005 Fiscal Year Annual Research Report
低温動作・高効率・高エネルギー分解能InSb放射線検出器開発の基礎研究
Project/Area Number |
15360505
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神野 郁夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50234167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山名 元 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (30283683)
杉浦 修 千葉工業大学, 工学部, 教授 (10187643)
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Keywords | InSb / 低温検出器 / 光子検出器 / ガンマ線 / X線 / 結晶成長 |
Research Abstract |
InSb結晶の成長を昨年に引き続き行った.昨年度,単結晶を育成する条件を得たので,この結晶移動速度0.47mm/時間で育成した.用いた材料は,99.9999%のInおよびSbである.この育成結晶の先端部分,中央部分,末端部分で切り出したウエハと,市販の数種類のInSbウエハとについて,ストイキオメトリを測定し,また温度を変化させてHall測定を行い,比抵抗値,キャリア濃度,またHall移動度の測定を行った.この結果,InSbの電気特性は,InとSbとの比を示すストイキオメトリの影響よりも不純物の影響が大きいことが分かった.また,結晶育成したInSbの先端部分ではp型不純物である亜鉛(Zn)の,末端ではn型不純物であるヒ素(As)の影響が大きいことが分かった. 放射線測定のために,直径1mmの電極を持つ,undoped型InSb検出器を製作した.製作したInSb検出器を用いて^<133>Baのガンマ線測定を行った.この結果,^<133>Baの81keVのガンマ線とそのエスケープピークである55keVのピークが観察できた.この検出器の実効的な空乏層厚さを求めるため,モンテカルロシミュレーションコードを用い,空乏層厚さが2μmから10μmの場合について,55keVのガンマ線のイベントと81keVのガンマ線のイベント数の比を求めた.この結果を実験値と比較したところ,実効的な空乏層厚さは約3μmであることが分かった.
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Research Products
(3 results)