2003 Fiscal Year Annual Research Report
超高輝度・超短パルス次世代X線放射光源のための電子ビーム動力学と不安定現象の研究
Project/Area Number |
15360507
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
羽島 良一 特殊法人日本原子力研究所, 関西研究所・光量子科学研究センター, 副主任研究員 (30218432)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊澤 信宏 特殊法人日本原子力研究所, 関西研究所・光量子科学研究センター, 研究員 (50354907)
永井 良治 特殊法人日本原子力研究所, 関西研究所・光量子科学研究センター, 副主任研究員 (40354906)
沢村 勝 特殊法人日本原子力研究所, 関西研究所・光量子科学研究センター, 副主任研究員 (30354905)
西森 信行 特殊法人日本原子力研究所, 関西研究所・光量子科学研究センター, 研究員 (60354908)
|
Keywords | エネルギー回収型リニアック / 次世代X線放射光源 / 超伝導加速器 / 電子ビームエミッタンス / コヒーレント放射 / ビーム不安定現象 / 自由電子レーザー / フェムト秒パルス |
Research Abstract |
超高輝度、超短パルスのX線の生成が可能な次世代放射光源として期待されている「エネルギー回収型リニアック(Energy-Recovery Linac ; ERL)において、その光源性能の上限を決める要因と考えられている二つの物理現象、「コヒーレント放射によるビームエミッタンス劣化」と「HOM(高次モード)不安定性」について研究を進めている。3ヵ年の研究期間の初年度にあたる平成15年は、以下の事項を実施した。 (1)ERL型X線放射光源(電子エネルギーがGeV領域)では、コヒーレント放射によるビームエミッタンス劣化が、電子運動の線形解析から導出されるビーム輸送行列(R-matrix)を用いて解析できることを見出した。この手法を用いて、エミッタンス劣化を最小にするようなERL光源の設計が行えることを示した。 (2)原研ERL(電子エネルギー17MeV)では、線形解析が適用できないので、粒子追跡シミュレーションによるコヒーレント放射効果の解析を行い、エミッタンス劣化が電子運動の二次収差と関係していることを明らかにした。 (3)原研ERLにおいてHOM不安定現象を実験的に検証するための基礎データとなる、超伝導空洞のHOM特性の計測を行った。また、汎用の高周波電磁場解析コードに空洞形状を入力し、これから求められるHOMパラメータと計測結果を比較し、計測データの妥当性を精査した。 (4)原研ERLにおいて、HOM不安定現象を強制的に誘起してこれを観測するための実験を計画した。実験に必要な電子ビームデフレクタの設計を行い製作した。また、必要な機器類(高周波計測装置、電子ビームポジションモニタ、広帯域RFアンプ、ハイブリッドカップラー等)を購入した。
|