2005 Fiscal Year Annual Research Report
LINEのレトロトランスポジションに必須な機能領域の解明
Project/Area Number |
15370003
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 晴彦 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40183933)
|
Keywords | non-LTRレトロトランスポゾン / LINE / エンドヌクレアーゼ / テロメア / 部位特異的レトロトランスポジ / RNP複合体構造 / 逆転写酵素 / 28SrDNA |
Research Abstract |
昆虫のテロメア反復配列にだけ転移するLINE(SART)、及び28SrDNAの特定の配列にのみ転移するLINE(R1)を用いて、LINEの転移に必須な機能領域の構造と機能を解析した。 1.R1転移アッセイ系の構築 SART1の転移のコントロールとなるアッセイシステムとしてR1のin vivo転移システムを完成した。R1の効率的な転移には、3'UTRのリードスルー産物RNAが重要であることが解明瀬された。 2.SART1のORF1タンパク質のタンパク質複合体の解析 LINEが細胞質から核へ移行する際にORF1タンパク質が必須であることを昨年度明らかにしたが、さらに必須ドメインの機能領域の特定を行った。その結果、ORF1同士の相互作用に必須な領域、ORF1とORF2の相互作用に必須な領域を新たに同定した。 3.Znナックル領域のRNA相互作用に関する機能と構造 LINEはRNAを鋳型として核内で標的に逆転写させて転移する因子である。その際に鋳型RNAとどのように相互作用しているかはこれまでほとんどわかっていなかった。今回、ORF1末端のZnナックルがその相互作用を担っていることを明確にし、さらにグリセロール密度勾配遠心法により、RNA-タンパク質複合体の相互作用を同定することに成功した。 4.R1のENドメイン構造の解明 昨年度はテロメア特異的LINEの一つであるTRAS1ENの結晶構造解析から、テロメア標的特異性に関与する機能領域の特定に成功した。今回は28SrDNAに転移するR1のエンドヌクレアーゼドメインの結晶構造解析に成功し、TRAS1ENのDNA結合構造と比較して、新たな経リックス構造が長い領域の標的DNA相互作用に関与している可能性を見出した。
|
Research Products
(7 results)