2005 Fiscal Year Annual Research Report
マウス初期胚における細胞質RNAの動的変化の重要性の解明
Project/Area Number |
15370005
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Research Institution | School of Medicine, Tokai University |
Principal Investigator |
木村 穣 東海大学, 医学部, 教授 (10146706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 敬之 信州大学, 医学部, 講師 (80317825)
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Keywords | マウス / 初期胚 / 遺伝子発現 / 母性RNA / poly(A) |
Research Abstract |
昨年度すでにマウスの初期胚(1細胞期から2細胞期)にポリA鎖を伸長するマウス母性RNA群を濃縮する新規なcDNA Libraryを独自な方法として作製していた。 1)1000cDNAクローンの遺伝子同定。1039クローンのcDNA塩基配列を決定し、データベース検索に基づいて遺伝子を同定した。その結果、まず111クローンはMammalian apparent LTR-retrotransposon(MaLR)のげっ歯類サブファミリーであるMTaであることが判明した。この時期に特に量的に豊富な母性polyA付加RNAとして興味深い。また、それ以外は通常のmRNAに分類されるが、この解析の結果、マウス初期胚でポリA鎖の伸張を示す母性RNAは特定の遺伝子には偏っておらず、またコードする遺伝子産物も転写因子やシグナル伝達関連タンパク質など多種類のタンパク質群に及ぶことが判明した。2005年はじめに論文を発表。 2)伸張の様式には何種類あって、どのようなグループに分類されるかをRNAブロット法により検証する。これは材料の制約があるため、高放射能活性のアデニンヌクレオチド三燐酸を使用し、高感度X線フィルムを使用するなど技術的な改良も進めたが、比較的高発現の遺伝子については現在では10-30個の受精卵でRNAブロット解析が可能である。この技法により、1)で得たcDNAのプローブを作製し、卵母細胞から受精後2細胞期までの詳細なRNAブロット解析をしたところ、まず1)のライブラリーの信憑性が確認され、また20遺伝子の解析からそのパターンは大まかには7種類に分類されることがわかった。この成果を年度内に発表することができた(研究発表参照) 3)交付申請時には対応遺伝子の染色体上の位置もできるだけ正確に求め、その特徴を解析し、またRNA導入系で伸張に必要なcis elementを求め、さらにXenopus等、他の生物種での知見と比較、検討する、としていたが、共同研究者転出により、この点は果たせなかった。
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Research Products
(3 results)