2003 Fiscal Year Annual Research Report
イワヒバリの雌の配偶者選択―雌の行動、父性、精子の運動、ホルモンレベルの統合―
Project/Area Number |
15370009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
中村 雅彦 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90272880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西海 功 国立科学博物館, 動物研究部, 研究官 (90290866)
酒井 秀嗣 日本大学, 歯学部, 講師 (20153851)
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Keywords | イワヒバリ / 順位 / 性行動 / 精子 / 血液 / ホルモン / ウズラ |
Research Abstract |
1.乗鞍岳に生息するイワヒバリの2グループの成鳥から精子の採集及びホルモン分析のために血液を採集した.精子の運動活性は現地で8mmビデオに録画し,血液の一部は簡易遠心分離器を用いて,有形成分と血漿に分離した.血液の一部は父性判定のための資料としてバッファー液に保存した.これらのサンプルは研究分担者にわたし,分析を開始する予定である. 2.野外で8mmビデオに順位行動と性行動を記録することにより,各グループの構成員間の順位,雌の求愛行動がどの雄に向けられていたのか分析した.その結果,順位は個体の年齢と相関があること,雌は高順位の雄に対して積極的に求愛することがわかった. 3.東京大学の小山幸子博士と広島大学の前田照夫助教授に精子の運動活性の分析方法を教えてもらった.その結果,いきなりイワヒバリの精子運動活性を分析するのではなく,その前段階として,ウズラを用いて精子遊泳速度,精子活性率,精子生存期間,精子密度などの基礎的データの収集方法を習熟する必要があると判断した. 4.現在は,3個体のウズラを1ケージにいれた実験群を10ケージ,1個体だけを1ケージに入れたコントロールを10ケージ用意し,これらの個体を飼育している.実験群では個体間に順位が形成されており,今後は順位と精子遊泳速度,精子活性率,精子生存期間,精子密度の関係および順位とホルモンの関係を調べる予定である. 5.平成16年のイワヒバリの関する野外調査前に,ウズラを使った基礎データの収集方法を確立し,乗鞍岳においてより多くのサンプルを収集する予定である.
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