2003 Fiscal Year Annual Research Report
水界生物群集に及ぼすpCO_2のストイキオメトリー効果に関する研究
Project/Area Number |
15370010
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
占部 城太郎 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (50250163)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千葉 聡 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授 (10236812)
伴 修平 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (50238234)
日野 修次 山形大学, 理学部, 助教授 (10272056)
|
Keywords | 湖沼 / CO2 / プランクトン / 集水域 / 溶存炭素有機物 / 生態系 / 炭素収支 / 生物群集 |
Research Abstract |
本研究は、1)集水域の土地利用と湖沼生態系の二酸化炭素分圧(pC0_2)との関係を把握し、2)pCO_2変化に伴う種間相互作用や物質転換効率の変質過程を生態化学量論の視点から明らかにすることで、3)地球・地域環境変化に伴う湖沼生物群集の応答予測を行うことを目的としている。この目的のため、H15年度は、北海道の18湖沼と東北の2湖沼を横断的に調べるとともに、pCO_2を人為的に操作したプランクトン群集の応答解析に関する実験を行った。基礎生産が高まる8月に野外調査を実施したところ、20湖沼のうち8湖沼は大気に対して二酸化炭素が過飽和であることが解った。湖沼表層水のpCO_2は湖水成分の中では溶存有機炭素(DOC)と正の、植物プランクトン生物量と負の明瞭な相関があり、それらは集水域に占める森林や田畑・市街地の割合と密接な関係があることが解った。このことから、湖沼は集水域の有機物を分解し二酸化炭素を放出するが、人間活動による栄養塩負荷が大きい場合に二酸化炭素の吸収へと転じることが示唆された。 実験的解析では、pCO_2変化に対する植物プランクトンの応答が種によって大きく異なることが判明し、それら応答は各種のもつ炭素濃縮機構(CCMS)で良く説明出来ることが解った。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Urabe, J.: "Stoichiometric impacts of increased carbon dioxide on a planktonic herhivore"Global Change Biology. 9. 818-825 (2003)
-
[Publications] 占部城太郎: "プランクトン群集の栄養動態と環境変化の化学量効果"日本プランクトン学会誌. 50. 91-98 (2003)
-
[Publications] Ban, S.: "Stay cool : Habitat selection of a cyclopoid copepod in a north temperate oligotrophic lake"Freshwater Biol. 50. 1551-1562 (2003)
-
[Publications] Ban, S.: "Microbial communities in oligotrophic Lake Toya, Japan"Limnology. 4. 19-24 (2003)
-
[Publications] Hino, S.: "Seasonal dynamics of carbon stable isotope ratios of particulate organic matter and benthic diatoms in strongly acidic Lake Katanuma"Freshwater Biol. 33. 87-94 (2003)
-
[Publications] Hino, S.: "Causation of reversal simultaneity for diatom biomass and density of Phormidium tenue"Aquatic Microbial Ecology. 4. 73-78 (2003)