2003 Fiscal Year Annual Research Report
組織特異的な細胞壁構築過程を統御する分子システムの解明
Project/Area Number |
15370016
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西谷 和彦 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60164555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 隆亮 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助手 (90302083)
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Keywords | シロイヌナズナ / 組織 / 細胞壁 / 遺伝子 / XTH / プロテオーム / T-DNA挿入変異体 / 培養細胞 |
Research Abstract |
物体を構成する数十種類の細胞型は、それぞれに固有の細胞壁構造を持ち、その動態を通して固有の形態と機能を発揮している。しかし、細胞型に固有の細胞壁構築の仕組みは、未だ概要さえ掴めていない。本研究では、シロイヌナズナの細胞壁構築に関連する約1000種の遺伝子の発現特性とシス機能を包括的に比較することにより、細胞型固有の細胞壁の動態に協調的に関与する遺伝子群(遺伝子セット)を解明すると共に、それらを統括する転写制御システムの解剖を目指して研究を進め以下の成果を得た。 シロイヌナズナの特定組織で特異的に発現する細胞壁関連遺伝子群セットを特定するために、a)花茎の伸長時、b)花茎伸長停止時、c)葉の展開過程、d)根の伸長域、e)GA、IAA、fusicoccin等のホルモンによる胚軸伸長誘導過程、でそれぞれ特異的に発現が変動する遺伝子群を解析した。その結果、細胞壁構築関連遺伝子群の各ファミリーのメンバーはそれぞれ、独自の過程に関与し、明確な役割分担を示すことが明らかとなった。 シロイヌナズナの培養細胞系を用い、細胞壁中に分泌されるタンパク質を二次元電気泳動法と質量分析法により、約200の細胞壁タンパク質を同定し、プロトプラストからの細胞壁再生およびジベレリンによる細胞伸長過程において発現の高まる遺伝子を特定した。 シロイヌナズナの細胞壁XTHファミリーに属する33の遺伝子についてT-DNAタグラインを用いて欠損変異体を解析し、a)根で高い発現を示すAtXTH12を欠損した変異体では根の伸長不全、葉の展開不全、爽の形成不全などの顕著な形態異常を示した。b)地上部の各器官で発現するAtXTH27欠損変異体では葉の形態異常が見られ、葉肉組織内に斑点状の細胞の壊死が高頻度で観察された。これらの結果は、XTHの各メンバーがそれぞれの発現組織において独自の機能を担うことを示している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakamura, T. et al.: "Two azuki bean XTH genes, VaXTH1 and VaXTH2, with similar tissue-specific expression profiles, are differently regulated bY auxin"Plant and Cell Physiology. 44. 16-24 (2003)
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[Publications] Hyodo, H. et al.: "Active gene expression of a xyloglucan endotransglucosylase/hydrolase gene, XTH9, in inflorescence apices is related to cell elongation in Arabidopsis"Plant Molecular Biology. 54. 473-482 (2003)
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[Publications] Yokoyama, R. et al.: "A surprising diversity and abundance of XTHs(xyloglucan endotransglucosylase/hydrolases)in rice : classification and expression analysis."Plant Physiology. 134. 1088-1099 (2004)
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[Publications] 井本桂子他: "オリゴDNAマイクロアレーによる植物の形作りの包括的解析"化学と生物. 41. 9-11 (2003)
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[Publications] Yokoyama, R. et al.: "Cell wall dynamics in tobacco BY-2 cells"Biotechnology in Agriculture and Forestry. 53. 217-230 (2004)