2005 Fiscal Year Annual Research Report
MAPキナーゼ・カスケードによる微小管機能の制御機構
Project/Area Number |
15370023
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 隆 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (80180826)
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Keywords | 微小管 / アラビドプシス / MAPキナーゼ / フォスファターゼ / 変異株 |
Research Abstract |
アラビドプシスのphs1-1変異株はMAP kinase phosphataseのkinase interaction motifの保存アミノ酸がミスセンス変異(R64C)したドミナントネガティブ型変異である。表現型は表層微小管がやや不安定となり、根が左巻きに傾いて伸長する。これまでに、PHS1のヌル変異は胚性致死であると報告したが、phs1-1のサプレッサー変異や複数のT-DNA挿入変異株の解析により、ヌル変異株は野生型とほとんど変わらない表現型を示すことが明らかとなった。 PHS1の発現部位を調べるために、PHS1ゲノム領域(プロモーター、ORF、イントロンを含む)の終止コドンにGUSレポーターを挿入し、アラビドプシス植物体に導入した。長い染色時間ではほとんど全ての組織にGUS活性が認められたが、短い染色時間では根や暗所胚軸の伸長速度が速い領域が強く染色され、また茎の分枝基部などにも強いGUS活性が認められた。 細胞内でのPHS1の局在性を調べるために、上記コンストラクトにGFPレポーターを挿入したPHS::GFP-GUSを作製した。アラビドプシス植物体の根組織ではGFPは主に細胞質に観察された。phs1-1変異ゲノムに同様のGFP-GUSを挿入したコンストラクトを野生型植物体で発現させると、GFPは細胞質に局在し、根はphs1-1と同様の変異形質が認められたことから、PHS1は主に細胞質で機能すると示唆された。 EMSで変異処理したphs1-1後代から単離されたサプレッサー変異株は、PHS1遺伝子内のintragenic変異とそれ以外のextragenic変異に分類できた。Extragenic変異株の1つはチューブリン遺伝子座にマップされ、このチューブリン遺伝子内にミスセンス変異を発見した。他のextragenic変異株も順次マッピングを行っている。
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Research Products
(1 results)