2004 Fiscal Year Annual Research Report
必須微量元素セレニウムの活性化とポリペプチド鎖への共翻訳的挿入機構の解明
Project/Area Number |
15370043
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
江崎 信芳 京都大学, 化学研究所, 教授 (50135597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 達夫 京都大学, 化学研究所, 助教授 (70243087)
三原 久明 京都大学, 化学研究所, 助手 (30324693)
吉村 徹 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (70182821)
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Keywords | セレン / セレノシステインリアーゼ / セレンタンパク質 / 培養細胞 / HeLa / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
必須微量元素であるセレニウムは、特定のタンパク質の特定の位置にセレノシステイン残基の形で取り込まれ、種々の重要な生理的役割を果たしている。これらのタンパク質のセレノシステイン残基は、遊離のセレノシステインが直接取り込まれるのではなく、セレノシステインが分解して生成した元素状セレニウムから翻訳過程で合成される。本研究では、セレンタンパク質生合成に関与するタンパク質の機能解明を目指した。 1.セレンタンパク質合成関連酵素の細胞レベルの機能解析 ヒトHeLa細胞、マウス脳Al細胞について、セレノシステインリアーゼ(SCL)、セレノリン酸シンテターゼ(SPS)に対するsiRNAを導入し、遺伝子発現を抑制したところ、両細胞において、セレンタンパク質であるグルタチオンペルオキシダーゼ活性とチオレドキシンレダクターゼ活性が著しく減少した。よって、SCLとSPSがセレンタンパク質の生合成に関与することが明らかとなった。 2.セレン活性分子種変換を触媒する酵素のタンパク質間相互作用の解析 マウス由来セレノシステインリアーゼとセレノリン酸シンテターゼの相互作用を解析し、両者の間で、弱い相互作用を介したセレン転移反応が起こることが明らかとなった。 3.セレン活性分子種変換を触媒する酵素の構造解析 マウスセレノシステインリアーゼの結晶化条件の最適化を行い、X線結晶構造解析に適した結晶を得た。得られた結晶を用いてX線結晶構造解析により立体構造を明らかにした。
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Research Products
(5 results)