2003 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖因子と受容体のエンドサイトーシスにおける選別輸送の分子機構
Project/Area Number |
15370053
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
喜多村 直実 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (80107424)
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Keywords | 細胞増殖因子 / 細胞増殖因子受容体 / 初期エンドソーム / 選別輸送 / Hrs / Hrs結合蛋白質(STAM) / ALG-2 / Alix |
Research Abstract |
細胞増殖因子が受容体に結合すると、両者は内在化し初期エンドソームに運ばれる。その後、初期エンドソームにおいて選別され細胞表面へはリサイクルされずにリソソームに運ばれ分解される。本研究では、初期エンドソームにおける選別輸送の制御因子であるHrsとHrs結合蛋白質(STAM)がどのようなメカニズムにより、増殖因子と受容体の選別輸送を制御しているかを明らかにすることを目的として解析を行い、以下の結果を得た。 1.STAMはcoiled-coil領域を介してHrsと結合している。この領域を欠損したSTAMは、初期エンドソームに局在しなかった。またRNAi法によりHrsをknockdownした細胞において、STAMは初期エンドソームに局在できなかった。したがってSTAMはHrsを介して初期エンドソームに局在することが明らかになった。またcoiled-coil領域欠損型STAMを過剰発現した細胞では、野生型を過剰発現した細胞で観察される初期エンドソームの肥大化、ユビキチン化蛋白質の初期エンドソームへの蓄積およびEGF受容体の分解の阻害がすべて観察されなかった。これらの事実は、STAMが選別輸送の制御因子として機能するためには、Hrsと結合して初期エンドソームに局在することが必要であることを示唆している。 2.Yeast two-hybrid法により、Hrs結合蛋白質として新たにALG-2を同定した。ALG-2は選別輸送制御因子の1つであるAlixとCa^<2+>依存的に結合することが知られている。Hrs, ALG-2とAlixの結合について解析したところ、3者はCa^<2+>依存的に結合することが明らかになった。また細胞をCa^<2+>イオノフォア処理することにより3者は初期エンドソームに共局在した。これらの結果から、HrsはALG-2を介してCa^<2+>依存的にAlixを初期エンドソームにリクルートすることにより、選別輸送を制御していることが示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Nakano: "Cofilin phosphorylation and actin polymerization by NRK/NESK, a member of the germinal center kinase family"Exp.Cell Res.. 287. 219-227 (2003)
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[Publications] H.Inomata: "A scaffold protein JIP-1b enhances amyloid precursor protein phosphorylation by JNK and its association with kinesin light chain 1"J.Biol.Chem.. 278. 22946-22955 (2003)
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[Publications] E.Mizuno: "STAM proteins bind ubiquitinated proteins on the early endosome via the VHS domain and ubiquitin-interacting motif"Mol.Biol.Cell. 14. 3675-3689 (2003)
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[Publications] T.Kaneko: "Structural insight into modest binding of a non-PXXP ligand to the Signal Transducing Adaptor Molecule-2 Src Homology 3 domain"J.Biol.Chem.. 278. 48162-48168 (2003)
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[Publications] T.Tanaka: "Dominant negative E2F inhibits progression of the cell cycle after the midblastula transition in Xenopus"Cell Struct.Funct.. (in press). (2004)
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[Publications] E.Mizuno: "Association with Hrs is required for the early endosomal localization, stability, and function of STAM"J.Biochem.. (in press). (2004)