2003 Fiscal Year Annual Research Report
多点同時測定蛍光相関分光装置の試作と細胞内分子間相互作用の解析
Project/Area Number |
15370062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金城 政孝 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (70177971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 忠昭 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (60272431)
西村 吾朗 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30218193)
田村 守 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (80089888)
南波 昭宏 オリンパス株式会社, ゲノム医療事業推進室, 研究員
野村 保友 山形大学, 工学部, 助教授 (80237883)
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Keywords | 蛍光相関分光法 / 蛍光測定 / レーザ走査型顕微鏡 / グルココルチコイドレセプター / サイトカイン / オステオポンチン / 微環境 / 細胞質 |
Research Abstract |
細胞内の微視的な領域、例えば、外界に近い細胞膜の近傍と核に近い深部などや、また個々の小器官、エンドソームや小胞体、ミトコンドリアなどでは、細胞内の位置により、物質の偏りやpH、イオン濃度、また酸素濃度勾配の違いなどを始め、様々な物質の分布の偏りが予想される。細胞内の局所の位置により(空間的に)、また物質の代謝の状態により(時間的)、その内部環境は異なっていることが予想される。そこで本研究は生きた細胞内のダイナミックな分子間相互作用明らかにするために単一分子レベルの高感度で多点同時測定の蛍光相関分装置の試作と基礎研究を行う事を目的とした。 本年度は試作機を作ることに重点を置き,空冷アルゴンレーザを用いて、レーザビームをレンズへ導入することで、FCS測定視野を作った。さらに,その測定視野を最大4ヶ所測定移動して測定可能な装置として稼働することを確認した。一カ所の観察視野として、1μmx1μmx1μm(10^<-15>L)を目標としてきたが、達成できたものと確信している。 光ファイバーからの蛍光のシグナルを最終的に検出するのはアバランシェホトダイオードを用いている。近年国内の光学検出機器メーカーが小型・高感度の光電子増倍管(PMT)が試作した。本研究では将来測定部位を増やす事を考慮してこれらのPMTを4本まとめて用いた検出装置を構築したい。 測定対象としては、これまで、当研究室で経験のある、細胞質から核内へ移動して遺伝子の転写調節を行うグルココルチコイドレセプター(GR)を最初の研究対象とした。TPA刺激後に細胞質から核へGRが移動するとともに,FCSで測定された分子数が細胞質では減少,核では増加する過程が観察された。今後,拡散時間の解析を行い,測定された結果を詳細に解析,評価する予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Zeno Foldes-Papp, Masataka Kinjo, Kenta Saito, Hiroaki Kii, Takuya Takagi, Mamoru Tamura, Jean M.Costa, 1 Eckhard Birch-Hirschfeld, Ulrike Demel, Per Thyberg, Gernot P.Tilzl: "C677T Single Nucleotide Polymorphisms of the Human Methylene Tetrahydrofolate Reductase and Specific Identification A Novel Strategy Using Two-Color Cross-Correlation Fluorescence Spectroscopy"Molecular Diagnosis. 7(1). 99-111 (2003)
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[Publications] Nobuhiko Tokuriki, Masataka Kinjo, Shigeru Negi, Masaru Hoshino, Yuji Goto, Itaru Urabel, Tetsuya Yomo: "Protein Folding by the Effects of Macromolecular Crowding"Protein Science. 13. 125-133 (2003)
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[Publications] Goro Nishimura, Masataka Kinjo: "Visible Emission of a Photoproduct from Tryptophan Solution Induced by Multiphoton Excitation : An Investigation by Intensity Fluctuation"Analysis.J.Phys.Chem.B. 107(24). 6012-6017 (2003)
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[Publications] Kenta Saito, Eiko Ito, Yuichi Takakuwa, Mamoru Tamura, Masataka Kinjo: "In situ observation of mobility and anchoring of PKCI in plasma membrane"FEBS Letters. 541. 126-131 (2003)
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[Publications] 金城政孝: "細胞内生体高分子相互作用の解析をめざす蛍光相関分光法"「バイオイメージングでここまで理解(かわ)る」実験医学別冊. 126-131 (2003)
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[Publications] 斉藤健太, 金城政孝: "タンパク質相互作用のリアルタイム解析 蛍光相関顕微鏡"注目のプロテオミクスの全貌を知る 実験医学別冊. 61-69 (2003)