2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15370064
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神谷 律 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (10124314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 俊樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (40292833)
広野 雅文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (10212177)
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Keywords | 鞭毛・繊毛 / ダイニン腕 / 微小管 / 全反射顕微鏡 / 蛍光標識 / テクチン |
Research Abstract |
鞭毛軸糸微小管上にはダイニン外腕が24nmごとに,各種内腕はそれぞれが96nmごとに,一列に規則正しく配列している.そのような規則性が生じる機構はまだほとんど明らかになっていない.我々の研究室ではダイニン外腕を微小管上に結合させる蛋白質を同定し,それが微小管上に協同的に結合することが,規則的配列機構にとって重要であることを示唆してきた.本研究はそのようなダイニン配列機構を,その結合過程を直接観察することによって追求することを目的としている.本年度は,レーザー光を用いた全反射光学系を組み立て,蛍光標識したダイニンと微小管の相互作用の観察を開始した.予想どおり,ダイニンと微小管の結合には協同性があることが確認されたが,その詳しい解析は来年度に残された.それと平行して,ダイニン内腕を微小管に結合させる因子の探索を行い,これまでウニ精子鞭毛などで見つかっていたテクチンと呼ばれる蛋白質がダイニン内腕のe亜種の結合に関与していることを発見した.テクチンはこれまで軸糸微小管の内部にあづて,その縦方向の周期性を規定する重要蛋白質であると考えられていたが,ダイニンの結合性との関連が明らかになったのは,これが初めてである.さらに,生細胞内に蛍光標識したダイニンサブユニットをとりこませ,その蛍光退色の回復過程を詳細に解析した.その結果,鞭毛内のダイニン内腕は数十分というオーダーで常時置き換わっているという,重要な結果が得られた.このプロセスを一分子レベルで直接観察することは,今後の興味深い課題である.
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[Publications] Padma, P.: "Identification of a novel leucine-rich repeat protein as a component of flagellar radial spoke in the ascidian Ciona intesinalis"Molecular Biology of the Cell. 14. 774-785 (2003)
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[Publications] Ikeda, K.: "Rib72, a conserved protein associated with the ribbon compartment of flagellar A-microtubules and potentially involved in the linkage between outer doublet microtubules"Journal of Biological Chemistry. 278. 7725-7734 (2003)
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[Publications] Casey, D.M.: "DC3, the 21-kD subunit of the outer dynein arm-docking complex (ODA-DC), is a novel EF-hand protein important for assembly of both the outer arm and the ODA-DC"Molecular Biology of the Cell. 14. 3650-3663 (2003)
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[Publications] kato-Minoura, T.: "A novel family of unconventional actin in volvocalean algae"Journal of Molecular Evolution. 57. 555-561 (2003)
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[Publications] Casey, D.M.: "DC3, the smallest subunit of the Chlamydomonas flagellar outer dynein arm-docking complex, is a redox-sensitive calcium-binding protein"Journal of Biological Chemistry. 278. 42652-42659 (2003)
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[Publications] Yanagisawa, H.: "A Tektin Homologue Is Decreased in Chlamydomonas Mutants Lacking an Axonemal Inner-Arm Dynein"Molecular Biology of the Cell. (in press). (2004)