2003 Fiscal Year Annual Research Report
植物特異的なDof転写因子群の発現・機能・起源に関する網羅的な解析
Project/Area Number |
15370072
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
柳澤 修一 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (20222359)
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Keywords | 転写因子 / Dofタンパク質 / 転写制御 / 植物 |
Research Abstract |
Dofタンパク質は植物特異的な転写因子群である。さまざまなDof転写因子の生理的役割が既に示唆されているが、Dof転写因子の植物における役割の大部分は未知である。そこで、モデル植物であるアラビドピシスを用いて、Dof転写因子群の網羅的解析を行いこの転写因子群の全体像に迫ることが本研究の目的である。このために本年度はDofタンパク質の機能解析を開始した。まず、Dofタンパク質の生理的重要性と遺伝子発現に対する影響を確認するためにトウモロコシ由来ではあるがDof1を強発現している形質転換体における遺伝子発現パターンを解析した。この植物体は窒素利用効率が高く窒素を制限した環境で野生型よりも良い生育を示す。マイクロアレイを用いた網羅的解析において表現型と一致した有機酸代謝に関係する遺伝子の発現の組織的な上昇が確認され、Dof転写因子は特定の遺伝子の発現に関わっていることが個体レベルで示唆された。さらに、アラビドピシスのDofタンパク質、OBP1,OBP3及びOBP4のそれぞれを強発現いている形質転換アラビドピシスの作成を試みた。OBP3とOBP4を強発現している形質転換体は得られたが、OBP1を強発現している形質転換体をえることはできなかった。このことから、幾つかのDof転写因子は非常に重要な生理的役割を担っているが故に強発現している形質転換体は得られない可能性が示唆された。一方で、Ac/DsトランスポゾンによってDof遺伝子が完全に破壊されているラインのホモ接合体を作成し、簡単な表現型解析を行ったところ、6ライン中1ラインにおいて目に見える異常が確認された。加えて、アラビドピシスの植物ホルモン処理した植物体から調製したRNAと遺伝子特異的プライマーを用いて各々遺伝子の発現パターンの予備的な解析も行った。
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Research Products
(1 results)