2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノムの高次構造:真核生物と原核生物とにおける構築メカニズムの普遍性と特異性
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15370077
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹安 邦夫 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40135695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 成弘 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (90346106)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / ナノスケールイメージング法 / ゲノム高次構造 / 核様体 / 染色体 / Staphylococcus aureus / Clostridium perfringens / バイオインフォーマティクス |
Research Abstract |
我々はこれまでに、原子間力顕微鏡によるナノスケールイメージング法を用いて「真核生物のゲノム高次構造は、基本的には原核生物のゲノム高次構造と同様な原理で、すなわち、DNAの物理的性質とDNA・タンパク質相互作用のバランスの上に構築される」という作業仮説に至った。本研究計画(平成15-19年)では以下の具体的項目を達成することで、ゲノムの高次構造構築の更なる一般的原理を明らかにする:(1)大腸菌の核様体関連タンパク質の変異株・欠損株における網羅的構造解析(2)分裂酵母の染色体関連タンパク質の変異株・欠損株における網羅的構造解析(3)染色体・核様体構築メカニズムの普遍性と特異性とに関する基本リストの作成(4)ヒト培養細胞におけるゲノムの核内存在様式・染色体構築メカニズムの解明に応用。 本年度(平成16年)は、大腸菌以外の種(Staphylococcus aureusおよびClostridium perfringens)の核様体の構造を解析し、そこにも大腸菌ゲノムの基本単位である40nmや80nmのファイバーが存在することを確認した(Takeyasu et al.,2004)。また、これらの基本単位ファイバーは、種々の酸化ストレス下において、更なる高次構造(凝集構造)をとることが分かった(Morikawa et al.,2005)。このゲノムの凝集はDp s-タンパク質の特異的機能によることも分かった。さらに、真核生物である分裂酵母、ニワトリ赤血球、HeLa-細胞の核内ゲノム構造を解析したところ、40nmや80nmのファイバーの存在を確認した(投稿準備中)。これらのゲノム基本構造は葉緑体ゲノムにおいても見られる一般的構造である。
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Research Products
(3 results)