2003 Fiscal Year Annual Research Report
老化とDNA障害性ストレスシグナルカスケードに関する研究
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15370080
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Research Institution | National Institute for Longevity Sciences,NCGG |
Principal Investigator |
本山 昇 国立長寿医療センター, 研究所・老年病研究部, 室長 (50277282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 洋文 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30292006)
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Keywords | 老化 / DNA傷害 / Chk2 / p53 / FOXO / SIRT1 / リン酸化 / アセチル化 |
Research Abstract |
ヒトにおいて、単一遺伝子異常により比較的若年期に種々の老年病を発症し老化症状を呈する早期老化症の原因遺伝子の同定・分子レベルでの解析により、ゲノムDMAの安定化機構の破綻が老化において重要な要因の一つであることが明らかになってきた。ゲノムDNAは、放射線・紫外線などの外的要因のみならず、細胞の代謝の結果として生じる活性酸素等の内的要因によって常に傷害を受けている。生体には、このようなゲノムDNAにおける傷害・変異を監視し、修復する機構、すなわちDNA傷害性ストレスシグナルカスケードが備わっている。今年度は、Chk2を中心にDNA傷害によるp53の安定化及び活性化のメカニズムおよび寿命制御転写因子FOXOの活性化の分子メカニズムを明らかにするとともに、FOXOの生理機能とりわけゲノムDNA安定化と老化の関係を明らかにすることを目的として研究を行った。 1.Chk2によるMdm2を介したp53の安定化・活性化メカニズム p53の安定化はmdm2によって制御されている。Cbk2がmdm2と相互作用し、p53との結合ドメインのSer78をリン酸化することを見出した。Ser78のリン酸化状態をmimicするAspに置換したmdm2はp53との結合活性・分解活性も低下していた。それに伴い、mdm2がp53の転写活性・アポトーシス誘導活性を抑制する能力が減少していた。即ち、Chk2はmdm2のSer78をリン酸化することによってp53の安定化・活性化を制御していることが明らかとなった。 2.寿命制御因子SIRT1によるFOXOの活性制御メカニズム SIRT1は、種々の生物において寿命を制御している。FOXOとSIRT1が相互作用することを明らかにし、FOXOの活性がSIRT1のNAD+依存性脱アセチル化活性化介して制御されていることを明るかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Umeda J, et al.: "In vivo cooperation between Bcl-xL and the phosphoinositide 3-kinase-Akt signaling pathway for the protection of epidermal keratinoytes from apoptosis."FASEB J.. 17. 610-620 (2003)
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[Publications] Hayashi E, et al.: "Loss of p27^<Kip1> accelerates DNA replication after partial hepatectomy in mice."J.Surg.Res.. 111. 196-202 (2003)
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[Publications] Kasai S, et al.: "Haploinsufficiency of Bcl-x leads to male specific defects in fetal germ cells : differential regulation of germ cell apoptosis between the sexes."Dev.Biol.. 204. 202-216 (2003)
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[Publications] Naka K, et al.: "Stress-Induced Premature Senescence in hTERT-Expressing Ataxia Telangiectasia Fibroblasts."J.Biol.Chem.. 279. 2030-2037 (2004)
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[Publications] Motoyama N, Naka K: "DNA damage tumor suppressor genes and genomic instability."Curr.Opin.Genet.Dev.. 14. 11-16 (2004)
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[Publications] Jack MT, et al.: "DNA-PK and Chk2 synergistically activate a latent population of p53 upon DNA damage."J.Biol.Chem. (in press). (2004)