2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゼブラフィッシュ突然変異体の解析による内胚葉・内胚葉系器官形成機構の研究
Project/Area Number |
15370094
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菊池 裕 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20286438)
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Keywords | ゼブラフィッシュ / 内胚葉 / 突然変異体 / 器官形成 |
Research Abstract |
脊椎動物の初期発生において、三胚葉(外胚葉・中胚葉・内胚葉)への誘導は形態形成に必須の基本的現象であり、胚葉形成機構の解明は発生現象の理解に必要不可欠である。三胚葉の中で外胚葉と中胚葉の形成機構の解析は、数多くの研究がなされてきたが、内胚葉の解析は適切なマーカー遺伝子が見つかっていなかったため最近まで研究が活発に行われていなかった。私は三胚葉の中で解析が遅れている内胚葉形成機構の解明を研究の目標としている。現在まで、内胚葉形成に異常を示す4種類の変異体の解析を行い、内胚葉誘導機構を明らかにしてきた。しかし内胚葉の形成機構は未だに不明な点が多く、新規な突然変異体を獲得する必要があると考えている。 そこで私は化学変異剤(ENU)を用いた新たなスクリーニングを開始した。平成16年4月より、200匹の野生型ゼブラフィッシュ(オス)をENUで処理し、生殖細胞への点突然変異の導入を行った。ENU処理後生存した約40匹のFOを野生型ゼブラフィッシュ(メス)と交配させ、約1500匹のF1 fishを得た。この約1500匹のF1からF2のファミリーを作製し、F2ファミリー内の交配により得られたF3の解析から、内胚葉誘導・内胚葉系器官(肝臓・膵臓・うきぶくろ)形成に異常を示す新規変異体のスクリーニングを行っている。スクリーニングは目視ではなく遺伝子発現の変化(in situスクリーニング)により行っているため、現在までに解析されていない新規変異体を得ることが出来ると予想している。現在はまだ数ファミリーをスクリーニングした段階であるが、内胚葉形成に異常を示すペアが4〜5種類見つかっており、今後スクリーニングのスピードを上げる予定である。
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Research Products
(1 results)