2004 Fiscal Year Annual Research Report
アラビドプシスのHP1ホモログ、TFL2による転写抑制機構の解析
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15370098
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Research Institution | Research Institute for Biological Sciences, Okayama |
Principal Investigator |
後藤 弘爾 岡山県生物科学総合研究所, 研究員(室長) (00251489)
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Keywords | アラビドプシス / 形態形成 / エピジェネティクス / 花成 / 転写制御 / ヘテロクロマチン / 発生 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
TFL2遺伝子のクローニングにより、TFL2はアラビドプシスゲノム上では唯一のHeterochromatin Protein1 (HP1)のホモログであることが分かった。 TFL2が植物細胞内でHP1として機能しているとすれば、tfl2突然変異体が多面的な表現型を示すこととも整合性がある。それを確かめるため、野生型とtfl2突然変異体との間でヘテロクロマチン領域とユークロマチン領域の遺伝子発現に差があるか否かを調べた。ヘテロクロマチン領域にある遺伝子や、トランスポゾンの発現をみたが、tfl2突然変異体で発現の上昇するものはみられなかった。さらにマイクロアレイによるグローバルな解析を行ったが、染色体のレベルでtfl2突然変異の影響を受けて発現が上昇する領域はみられなかった。 また、植物細胞内におけるTFL2タンパク質の局在を調べたところ、TFL2は核内にドット状に局在するが、ヘテロクロマチン領域とは共局在しないことが明らかになった。すなわち網羅的な遺伝子発現解析と細胞生物学的な観察の両点から、TFL2は植物のヘテロクロマチン形成には関与していないということが結論づけられた。 以上のようにTFL2のヘテロクロマチン遺伝子発現への関与が否定される一方、TFL2が特異的に発現を抑制しているユークロマチン遺伝子をいくつか特定した。それらはFT、花のホメオティック遺伝子(PI、AP3、AG、SEP3)、種子登熟、サイクリン関係の遺伝子などである。 植物にはHP1ホモログはTFL2しかないと考えられるので、動物のHP1に相当する機能、すなわちヘテロクロマチンの形成と維持にどの様なタンパク質が関わっているのかを明らかにすることは、今後の新たな研究課題である
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