2004 Fiscal Year Annual Research Report
利己的な制限酵素修飾酵素遺伝子のゲノム進化での役割に関する比較ゲノムと実験進化
Project/Area Number |
15370099
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 一三 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30126057)
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Keywords | ゲノム / 制限酵素 / 遺伝子増幅 / 病原細菌 / ゲノム再編 / 進化生態 / 大腸菌 / 枯草菌 |
Research Abstract |
(1)ゲノム情報からの解析。 (1-1)解読ゲノム中の制限修飾遣伝子の探索。 Pyrococcusのゲノム配列中に、制限酵素遺伝子候補を探し、小麦胚芽のin vitroたんぱく合成系で発現させDNA切断活性を検討した。複数の活性のうち一つを精製し、至適条件、認識配列、切断サイト、耐熱性を決定した。 (1-2)病原細菌ゲノム多型形成の痕跡の探索。 Neisseria meningitidisの二つの株のゲノム配列を比較し、新しいゲノム再編機構を推測した。Staphylococcusの多数の株のゲノム配列を比較し、多型の形成機構を推測した。その過程で、CGATを改良した。 (1-3)制限修飾系の進化。 制限修飾遺伝子が、「ホスト殺し」によって存続するための諸条件を、ポピュレーションダイナミクス手法によって明らかにした。 (2)制限酵素修飾酵素遺伝子の自己増殖とゲノム再編。 (2-1)増殖サイクル。 枯草菌に、増幅が起きた細胞からのゲノムDNAをドナーとして、増幅による形質転換体の頻度の上昇を示唆する予備的な結果を得た。 (2-2)自己増幅検出系。 制限修飾遺伝子の増幅を検出する系を、蛍光レポーター遺伝子を用いて作った。 (2-3)制限修飾遺伝子のサブゲノム間転移。 大腸菌での転移が制限酵素活性に依存するかを検討した。 (2-4)大規模ゲノム再編。 制限修飾遺伝子と対立遺伝子をあわせ持つ大腸菌の植え継ぎを繰り返して、どのようなゲノムが生き残るかを調べた。 (2-5)非染色体DNAに対する制限酵素の攻撃と再編。 制限修飾遺伝子によるファージおよびプラスミドの攻撃と再編を解析した。 (3)仮説と命名法 以上をもとに死とゲノムの維持進化について仮説を提唱した。制限修飾酵素などについての新しい命名法を提唱した。
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Research Products
(4 results)