2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380008
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
寺田 理枝 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助手 (30137799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栂根 一夫 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助手 (50343744)
飯田 滋 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 教授 (30012777)
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Keywords | イネ / 遺伝子ターゲティング / アルコール脱水素酵素 / Adh遺伝子 / ゲノム改変 / 相同組換え / エクトピック・ターゲティング / 部位特異的組換え |
Research Abstract |
イネの遺伝子ターゲティングの汎用化と効率化を進め、基本技術のノウハウを蓄積するため、アルコール脱水素酵素(Alcohol dehydrogenase:Adh)遺伝子のターゲティングを進め、ゲノム改変イネの植物をそれぞれ独自に得て、詳細な解析結果を得た。Adh遺伝子はAdh1とAdh2はゲノム中に2コピーあって、Adh1とAdh2のcDNAは相同性が高いが、5'UTRは互いに異なり、それぞれ器官別に発現し、ホモまたはヘテロのダイマーとして活性をもつことが報告されている。 これまでに、昨年度に引き続き、ターゲティングそれぞれの遺伝子領域をターゲティング改変が生じた正常稔性を示す植物系統をそれぞれのAdh1は5系統、Adh2では7系統得た。TO世代の植物の葉由来のDNAによるサザン解析を行ったところ、Adh1では3系統、Adh2では7系統で、正確な相同組換えに由来すると考えられるバンドパターンを示す結果が得られた。Adh1の残り2系統については相同組換えによるターゲティンッグ以外に、エクトピック・ターゲティングも生じている可能性が示された。それぞれの系統についてT1個体を育成してPCRによって、ターゲットホモ型、ヘテロ型、野生型の分離について解析したところ、期待される分離比に近い値が得られた。Adh1とAdh2のターゲティングイネのホモ型系統を育成し、各遺伝子の発現や表現型を調べたところ、Adh1のノックアウトホモ1系統について、冠水条件下での発芽時の子葉の伸長抑制が認められた。Cre/loxの部位特異的組換えサイトをポジティブマーカーと転写終止の挿入領域の両端に組み込み翻訳開始のON/OFFを行える遺伝子発現制御スイッチについてWaxyゲノム改変のターゲティングホモ個体のカルスを用いてCreの一過的発現を行ったところ、2系統についてターゲット挿入領域が再度取り除かれたと推定される個体を得た。Adh1とAdh2の領域30kbを削除してゲノム構造を大幅に組換えるAdhゲノム改変ターゲットについてもベクターを構築してターゲットを行ったところPCRポジティブのカルスを1系統得ている。
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Research Products
(6 results)