2006 Fiscal Year Annual Research Report
土壌硬盤層に対するコムギの根貫入力に関する遺伝的変異の解明
Project/Area Number |
15380010
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
岩間 和人 北海道大学, 大学院農学研究院, 教授 (70144219)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
実山 豊 北海道大学, 大学院農学研究院, 助手 (90322841)
渡部 信義 茨城大学, 農学部, 教授 (90126764)
|
Keywords | コムギ / QTL解析 / 根 / 耐乾性 / 遺伝資源 / 育種 / わいせい遺伝子 |
Research Abstract |
根貫入力の高いコムギ品種を開発するための基礎資料として、下記の成果を得た。 1.コムギの根貫入力検定ポットの開発 イネで利用されているPVポットを参考にして、コムギ根の貫入力に適した堅さのロウとワセリンの混合割合を明らかにし、多数の個体の根貫入力を測定できるPVポットを開発した。PVポットでの根貫入力が大きく異なるコムギ品種を、人工的に土壌硬盤層を作成した圃場、および作土層下に土壌硬盤層の存在する圃場で栽培し、PVポットでの根貫入力が圃揚での深根性の品種間差異と密接に関係することを検証した。 2.国内外のコムギ遺伝資源についての根貫入力の評価 前述1のPVポットを用いて根貫入力を測定し、ICARDAやCIMMYTで育成された近代多収品種はエチオピアなどの在来品種に比べて土壌硬盤層に対する根貫入力が劣っているこを明らかにした。また、北海道で育成された品種やその交配親など43品種・系統、および道外地域の主要栽培38品種など国内のパンコムギ品種にも大きな変異が存在し、根貫入力を改良する遺伝資源として利用できることが示唆された。 3.根貫入力とその他根形質および地上部形質との遺伝的な相互関係の解明 コムギの草丈や収穫指数を制御するわい性に関する同質遺伝子系統群について、PVポットでの根貫入力を比較し、わい性と根貫入力との関係は認められず、両形質は遺伝的に独立した形質であることを明らかにした。さらに、マカロニコムギのマップ集団(ICARDA改良品種とモロッコ在来品種との交配から作成した組み換え自殖系統集団)についてPVポットでの根貫入力を調査し、根貫入力に関与するQTLが6A染色体の長腕最下部に位置することを明らかにした。
|
Research Products
(3 results)