2005 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を利用したハイブリッドライス生産性の生理生態学的解析
Project/Area Number |
15380013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
根本 圭介 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40211461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 順子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60191219)
山岸 徹 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (50143409)
後藤 雄佐 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (80122919)
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Keywords | イネ / 量的形質 / 雑種強勢 / エピスタシス |
Research Abstract |
本計画は、イネの生理生態学的研究にゲノム学の手法を援用する試みの1つとして、ハイブリッドライスの生産性に関する諸特性を対象としたQTL解析を行おうとするものである。とくに、ハイブリッドライスの示す雑種強勢が分げつ数に最も強く現れることを考慮し、分げつ数に強いヘテロシスを生じるインディカ×ジャポニカの組み合わせを対象に分げつ数のQTL解析を行ってきた。昨年は、伽耶(インディカ)×熱研2号(ジャポニカ)組み換え自殖集団を用いて分げつのQTL解析を行い、エピスタシスの関与の重要性を明らかにしたが、今年は、バイオマス生産を対象として同様の検討を行なうとともに、別の交配組み合わせによる組み換え自殖集団を用いて、昨年の結果の普遍妥当性を確認した。熱研2号×伽耶の組み換え自殖系統を用いてバイオマス生産に関わるQTLを同定したところ、半数近くのQTLが昨年同定した分げつ数のQTLと同座であったが、それ以外のQTLも含め、バイオマスの超越分離にはエピスタシスの関与が大であった。全表現型分散に占めるエピスタシスの累積寄与率は、多い場合で40%を上まわった。また、熱研2号×伽耶の組み合わせと並んで大きなヘテロシスを示す組み合わせである亀の尾(ジャポニカ)×Dular(インディカ)の組み合わせで組み換え自殖系統を作成し、同様の解析を行った。F5集団183系統を対象として、111個のSSRマーカーを用いて総長1447cMの連鎖地図を作製し、分げつ数を対象にQTL解析を行った。Dularと伽耶とは、同じインディカではあるが系統類縁関係はきわめて遠いものである。にも関わらず、結果は前年の熱研2号×伽耶の組み合わせときわめて類似しており、日印交配のもとで生じるエピスタシスのネットワークは非常に保存性の高いものであることが推察された。
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Research Products
(4 results)