2005 Fiscal Year Annual Research Report
植栽構成と視覚心理的効果の関係に関する認知科学的研究
Project/Area Number |
15380022
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤井 英二郎 千葉大学, 園芸学部, 教授 (40125951)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 孔明 千葉大学, 園芸学部, 助手 (40292669)
|
Keywords | 脳波 / 眼球運動 / 脳血流 / 心拍 / 感情プロフィールテスト / 意味微分法 / 緑陰 / 西洋ハーブ |
Research Abstract |
緑陰の生理心理的効果を明らかにするため、日射の遮蔽と照度を同程度にしたツルニチニチソウと塩ビ板のパーゴラの下で被験者の生理心理的反応を比較した結果、POMSによる感情状態と、脳波・心拍を指標とした生理反応のいずれにおいてもツルニチニチソウのパーゴラで有意に快適性が高くなった。 西洋ハーブの生理心理的効果を明らかにするため、その認識・利用実態を調べた結果、年齢層が高いほど、また男性より女性で高い傾向がみられた。認識度の高い種類を中心に6種のハーブの香りに対する印象は、フルーツセージ・バジル・ラベンダーが快適と評価され、一方カレープラントが不快と評価された。また、脳血流ではラベンダーとカレープラントで性差、バジルとカレープラントで嗜好差を示す傾向がみられた。さらに、最低血圧・脈拍はバジルに比べてセージで有意に低く、セージでの脈拍の低さはローズマリー・カレープラントに対しても有意であった。以上のことから、快適な香りと評価されたハーブ類では脈拍が低下する傾向があり、快適な香りを嗅ぐことによって副交感神経系優位の状態になる傾向が確認された。 人と植物・緑地との複合的関係と位置づけられる里山管理活動に伴う植生変化と活動参加者の行動・意識の変化の関係を調査・解析した結果、2000年からの管理活動が林床植生を規定していることが明らかになった。また、7年間の管理活動は管理による植生の多様性や希少種の復元、開花などを通して進展し、より広範な環境管理活動へと展開する傾向が把握できた。つまり、市民による里山管理に伴う植生変化と活動参加者の意識・行動には、密接な相互作用がみられ、その過程には里山活動によって同じ緑地を繰り返しみることと、緑地に能動的に関わることによる認知内容の変化や認識の深まりがみられた。
|
Research Products
(4 results)