2005 Fiscal Year Annual Research Report
茎葉散布型プラントアクチベータによる難防除土壌病害の回避とメカニズム解析
Project/Area Number |
15380033
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Research Institution | National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
有江 力 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 助教授 (00211706)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺岡 徹 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究部, 教授 (60163903)
仲下 英雄 独立行政法人理化学研究所, 工藤環境分子生物学研究室, 先任研究員 (70280724)
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Keywords | プラントアクチベータ / トマト / 土壌病害 / 抵抗性誘導 / 茎葉散布 / 病害防除 / メカニズム解析 / SAR |
Research Abstract |
昨年までに、バリダマシンAやバリドキシルアミンAがトマトやバナナなどの植物において、茎葉散布型プラントアクチベーターとして機能すること、Fusarium oxysporumによる土壌病害防除目的に使用できる可能性を見いだした。しかしながら、プラントアクチベーターの茎葉散布によって植物に、矮化や葉柄の壊死などの薬害を生じる場合があることが判明した。そのため、この薬害の程度についてトマト品種、組織内サリチル酸蓄積程度、発病抑制効果等との相関解析を行った。また、薬害の程度が光や温度などの環境条件によって影響を受けることを見いだした。これらの結果に基づき、薬害を指標とした新たなプラントアクチベータスクリーニング法を提案した(特許出願準備中)。サリチル酸を蓄積できないNahGトマトにおいてもバリダマイシンA茎葉散布が萎凋病発病抑制効果を示す場合が見られたため、バリダマイシンAによる萎凋病発病抑制には、SAR以外の抵抗性誘導機構も関与していることが示唆された。また、植物土壌病害に対する抵抗性を誘導するといわれている非病原性生物防除資材が、バリダマイシンと同様な抵抗性誘導機構によって病害抵抗性を賦与していることが推測された。平成17年度は本研究の最終年度にあたるが、複数の論文あるいは学会発表による成果公表を行い、また、現在複数の論文の取り纏め、国際学会、学会での発表の準備中である。3年間の研究によって、環境調和型次世代土壌病害防除技術としての茎葉散布型プラントアクチベーターの利用の可能性およびその効果メカニズムを示した。
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Research Products
(3 results)