2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380041
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 利治 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教授 (30227152)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 正 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20023476)
池田 素子 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (20262892)
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Keywords | 内部寄生バチ / アワヨトウ / 脂肪体 / 足場 / 脱出行動 / 外部寄生蜂 / 毒液 |
Research Abstract |
内部寄生バチは、寄主から脱出し繭を形成しその中で蛹化する。この後、寄主はしばらくすると茶色に変色しながら死亡する。アワヨトウを寄主とする寄生バチ数種類を検討したところ、脱出後も寄主が生存している場合もあることに気づいた。これは寄生バチが発育した後に寄主体内に残る脂肪体の量の違いに基づくものと思われる。そこで寄生バチが脱出した後の寄主の行動を解析したところ、ほとんど脂肪体が体内に残っていない寄主では寄生バチ幼虫の脱出後すぐに死んでしまうが、脂肪体がある程度残っている寄主では脱出後、同種の未寄生寄主からの捕食を防ぐ行動をしていることがあきらかになった。寄生バチ脱出後の寄主の行動と寄主体内に残るエネルギー量との関係を明らかにしていく。日本で手に入らないCotesia glomerata-Pieris brassicae系は現在オランダの研究者との共同研究で進めている。また寄生バチ幼虫の寄主からの脱出行動は全く研究されていなかった。これは寄主の栄養資源獲得のストラテジーを明らかにするには欠かせない研究である。そこでどのように脱出行動が起こっているのか、脱出に必要な足場がどのように形成されているのかを現在明らかにしつつある。さらに、外部寄生バチ(Euplectrus separata-Pseudaletia separatae)は毒液のみで寄主の生理状態を制御することがわかっているが、この毒液の効果により脂肪体細胞でApoptosisが起こることがin vitroでわかってきた。これも現在アメリカの研究者と共同研究として進めている。現在はこの毒液の成分の分画を試みて活性成分の特定を進行中である。
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Research Products
(4 results)