2006 Fiscal Year Annual Research Report
Rubiscoのターンオーバーの分子的背景と窒素栄養の関係の解析
Project/Area Number |
15380046
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前 忠彦 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60134029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 周 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (70181617)
石田 宏幸 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (60312625)
鈴木 雄二 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80374974)
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Keywords | Rubisco / ターンオーバー / 窒素栄養 / イネ / 老化 / オートファジー / rbcS遺伝子ファミリー |
Research Abstract |
(1)イネを異なる窒素栄養濃度のもとで栽培を行い、葉身の一生を追ってRubisco生成量、rbcS及びrbcL mRNA、窒素流入量の関係を調べた。その結果、Rubisco生成量は葉の一生を通して葉への窒素流入量との相関が高く、単位rbcS、rbcL mRNA量当たりのRubisco生成量は老化の進行に伴って低下することが明らかとなった。また、5種のrbcS遺伝子のmRNAレベルでの発現応答について解析した。その結果、OsRBCS2-OsRBCS4のmRNA量はいずれも葉の展開中に発現量が最が高く、葉齢と共に低下した。発現量の相対値には遺伝子間で差がありOsR8CS2とOsRBCS4で高かった。一方、OsRBCS1の発現量は他の遺伝子に較べ百分の一以下と低かった。 (2)葉の老化やストレス下でのRubisco分解機構にっいてアラビドプシスを用いて解析した。その結果1)先に我々により見出されたRubisco-containing body (RCB)は、その数がRubiscoの分解が著しい老化初期から中期にかけて特異的に増加する、2)葉緑体からのストロミュール様の突出物が隔離膜様の2重膜組織によって取り囲まれる、3)RCBが液胞へと移動し、液胞内で分解される等が示唆され、オートファジー機構に似通ったプロセスを経てRubiscoが分解されるとの仮説を提唱した。 (3)先に我々により見出されたRubiscoの活性酸素による部位特異的な分解について、in vivoでも実際に起こっているかについて検討した。その結果、低温、弱光に感受性のキュウリやインゲンマメではRubiscoの部位特異的な断片化が生じていることが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)