2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15380053
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
馬 建鋒 香川大学, 農学部, 助教授 (80260389)
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Keywords | イネ / ケイ酸 / 吸収 / 輸送形態 / トランスポーター / 導管 |
Research Abstract |
イネのケイ酸吸収、輸送機構に関して以下の成果を得た。 1.ケイ酸の導管へのローディングは非常に速い過程で行われ、また一種のトランスポーターを介していることを明らかにした。導管液中のケイ酸の濃度は外液の十数倍高かく、10mM以上であった。^<29>Si-NMRを用いて導管液中のケイ酸の形態を同定したところ、単分子のケイ酸と同じケミカルシフトを与えた。またケイ酸を与えたイネと与えなかったイネの導管液、低ケイ酸変異体の導管液の^1H-NMRスペクトルを比較した結果、ほぼ同じスペクトルを示した。さらに、採取した導管液中の単分子のケイ酸濃度を経時的に測定すると、単分子のケイ酸濃度が時間とともに減少し、18時間後に一定の濃度(2.6mM)となった。これらのことはケイ素が単分子のケイ酸の形態で輸送され、導管中の高濃度のケイ酸の存在は一過性のものであることを示している。 2.ケイ酸の吸収に関わる遺伝子をクローニングするために、すでに単離された低ケイ酸イネ突然変異体lsirlとインド型イネカサラスとの交配から得たF_2を用いた。105個体のF_2のケイ酸吸収量を測定した結果、高いケイ酸吸収量を示したのは80個体で、低いケイ酸吸収量を示したのは25個体で、分離比3:1に合致していた.また各個体からDNAを抽出し、ケイ酸低吸収量の10個体とケイ酸高吸収量の10個体のDNAをプールして、バルク分析を行った。EST-based PCRマーカー128個を用いて遺伝子型を調査したところ、イネのケイ酸吸収に関与する遺伝子は染色体の2番に座乗していることをつきとめた。
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