2005 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌の生育に必須の細胞表層蛋白質を標的とする化学療法剤開発の基礎研究
Project/Area Number |
15380056
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
松山 伸一 立教大学, 理学部, 教授 (50183108)
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Keywords | 大腸菌 / 細胞表層 / 外膜 / 内膜 / リポ蛋白質 / 生合成 / 局在化 / 化学療法剤 |
Research Abstract |
外膜タンパク質の局在化に関与する因子として見いだした外膜因子を過剰発現・精製し、機能解析を行った。生育に必須の外膜リポタンパク質YfiOはアルカリ環境下で必要なNlpBと直接相互作用していることがin vitroの生化学的な解析から明らかになった。また、同様の解析から、外膜のintegrityに重要なリポタンパク質YfgLは必須外膜タンパク質YaeTやリポ多糖のフリッパーゼImpと直接相互作用していることも明らかになった。以上の結果から、YfiO-YfgL-NlpB-YaeT複合体を構成する因子間の結びつきが明らかになるとともに、外膜タンパク質とリポ多糖の局在化が共役している可能性が示唆された。 主要外膜リポタンパク質LppはそのC末端のリジン残基でペプチドグリカンと共有結合しているが、この結合を触媒する酵素(トランスペプチダーゼ)は全ゲノム配列が明らかになった今でも同定されていない。生化学的手法でこの酵素を同定するために、in vitroでLppがペプチドグリカンと共有結合する反応を解析する実験系を確立した。この系を用いて、現在酵素の精製を進めている。 上述のタンパク質・酵素はいずれも大腸菌の生存に重要であり、それらの機能を阻害する薬剤は化学療法剤の候補として有望である。申請者が確立したin vitro解析系は、化学療法剤のスクリーニングを行うハイスループット系に応用できる有望な実験系であり、最終年度に向けてさらなる改良を加え実戦的なスクリーニング系に完成させたい。
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Research Products
(2 results)