2004 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌キチン合成酵素と相互作用するタンパク質の網羅的同定・解析とその有効利用
Project/Area Number |
15380057
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀内 裕之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00209280)
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Keywords | キチン合成酵素 / Aspergillus / ミオシン / 隔壁 / アクチン |
Research Abstract |
本プロジェクトにおいて平成15年度には、Aspergillus nidulansのキチン合成酵素chsA、chsC、csmAの遺伝子産物(それぞれChsA、ChsC、CsmA)にタグをつけてその菌糸内での局在について解析した。本年度はまずchsBの遺伝子産物ChsBのN末端にGFPまたはFLAGのタグをつけたもの(GFP-ChsB、FLAG-ChsB)の細胞内での存在状態について検討した。その結果、GFP-ChsBは主に菌糸先端と形成中の隔壁に局在した。また隔壁形成の進行に伴い菌糸の形質膜から中央に向かって移動してゆくことが示唆された。またFLAG-ChsBを発現させた金の細胞抽出液に対する抗FLAG抗体を用いた解析から、ChsBは細胞内で主に4種の分子種として存在し、アルカリフォスファターゼ処理による解析から、その内の2種の分子種は残りの2種がそれぞれリン酸化されて生じたものであることが明らかとなった。このことからA.nidulansのキチン合成酵素も少なくとも一部はリン酸化により何らかの制御を受けていることが明らかとなった。一方、A.nidulansの公開されているゲノム情報よりその存在が明らかになったcsmAのパラログcsmBの遺伝子破壊株の作製、csmA csmB二重破壊株の作製、csmB遺伝子産物CsmBの細胞内での存在状態の解析、CsmAとの共局在について解析を行った。その結果csmBの単独破壊でも菌糸の途中が膨らむバルーンの形成、寒天表面上での菌糸の波打ち、などcsmA単独破壊株と類似の表現型の変化をも示したが、異なる部分もあり、少なくとも一部異なる機能を持つことが示された。またCsmBにFLAGタグをつけて、その細胞内での存在状態について検討したところ主に菌糸先端と形成中の隔壁に存在した。
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Research Products
(2 results)