2003 Fiscal Year Annual Research Report
原核微生物におけるC1化合物固定酵素反応の分子基盤とその応用
Project/Area Number |
15380061
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 暢夫 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由里本 博也 京都大学, 農学研究科, 助手 (00283648)
阪井 康能 京都大学, 農学研究科, 助教授 (60202082)
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Keywords | メタノール / メチロトローフ / ホルムアルデヒド固定反応 / Mycobacterium gastri MB19 / 枯草菌 / メタン生成菌 / Hps / Phi |
Research Abstract |
メタン、メタノールなどのC1化合物を原料とするバイオテクノロジーを展開するためには、C1化合物固定反応の分子基盤を確立し、有用有機化合物を生産するための宿主を構築する必要がある。本研究の最終目標は、メチロトローフ細菌の分子育種系の確立と、分子育種系がある非メチロトローフ細菌へのメタノール資化能の導入を目的とする。本年度得られた成果は以下の通りである。 1)枯草菌でのホルムアルデヒド固定酵素系の分子基盤:非メチロトローフである枯草菌には、ホルムアルデヒドの固定に関与するヘキスロースリン酸シンターゼ(Hps)とホスホヘキスロイソメラーゼ(Phi)がある。このhps/phiオペロンの上流にあるyckHの遺伝子産物が全く新しい転写調節因子であり、これがこのオペロンの転写に関与することを見出した。 2)BacteriaおよびArchaea由来のHPSの機能解析:耐熱性メチロトローフであるBacillus brevis S1株にhps/phiオペロンを見出し、両遺伝子産物の酵素化学的性質を明らかにした。また、超好熱性ArchaeaであるPrococcus horikoshiiよりhpsを含む融合遺伝子を大腸菌に形質転換し、それぞれの遺伝子産物の酵素機能を明らかにした。 3)メタン生成菌におけるHpsの生理的意義:Methanosarcina mazeiにHpsを含む2種のORFを見出した。その1つは、Hpsとホルムアルデヒド活性化酵素(Fae)に相当する読み枠からなっていた。融合遺伝子、hps、faeそれぞれを大腸菌で発現させ、精製して性質を明らかにした。 4)メチロトローフ細菌におけるHpsの発現調節機構:Mycobacterium gastri MB19株のhps/phiオペロンの上流に調節遺伝子を見出し、その産物を大腸菌で発現させ精製した。現在これによるオペロンの発現調節機構を検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yurimoto, H: "Alcohol dehydrogenases that catalyze methyl formate synthesis participate in formaldehyde detoxification in the methylotrophic yeast Candia boidinii"Yeast. 21(印刷中). (2004)
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[Publications] Komeda, T: "Cis-acting elements sufficient for induction of FDH1 expression by formate in the methylotrophic yeast Candida boidinii"Mol.Gen.Genomics. 270. 272-280 (2003)
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[Publications] Mitsui, R: "Formaldehyde fixation contributes to detoxification for growth of a nonmethylotrophic Burkholderia cepacia TM1"Appl.Environ.Microbiol.. 69. 6128-6132 (2003)
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[Publications] 由里本博也: "メチロトローフのホルムアルデヒド対策"化学と生物. 41. 218-222 (2003)