2005 Fiscal Year Annual Research Report
γ-ブチロラクトン型信号物質による放線菌二次代謝制御カスケードの解明
Project/Area Number |
15380063
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
仁平 卓也 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (70144441)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 達治 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 教授 (50029245)
木下 浩 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助手 (20294035)
中川 浩子 大阪大学, 生物工学国際交流センター, 助手 (30251482)
|
Keywords | 放線菌 / 二次代謝 / 信号伝達物質 |
Research Abstract |
多種多様な二次代謝産物を生産する放線菌は、微生物由来の薬理活性物質の約3分の2以上を生産することから医薬品開発にとり重要な菌群である。生産性向上などに結びつく二次代謝の人為的な改変できるツールとして、γ-butyrolactone型信号物質(autoregulator)の存在がここ近年の研究で浮かび上がってきた。放線菌に広く分布するautoregulatorは、対応する個々のレセプタータンパク質と協調して、二次代謝産物の生合成クラスターを転写制御することなどが明らかとなりつつあるが、その詳細な制御カスケードについてはブラックボックスのままであった。本研究は、さまざまな放線菌のautoregulator制御系の解明・比較解析に基づき、一般放線菌に適用しうる普遍的な二次代謝制御モデルを構築、二次代謝の人為的活性化法に利用しようとするものである。 本研究では、モデル放線菌Streptomyces coelicolor A3(2)におけるautoregulator制御系を詳細に解明するため、マイクロアレイ解析を行った結果、レセプタータンパク質と二次代謝生合成遺伝子群の間で機能する新たな転写制御因子を見いだし、in vivoまたはin vitro両面からの解析から当該因子の機能を導き出した。また、S.virginiaeにおいてはレセプター遺伝子の隣に位置する約50kbpの塩基配列を決定したところ、新規制御因子を含む二次代謝生合成遺伝子クラスターを発見、in vivo解析からその機能の同定をおこない、制御カスケードの最終段階にあたることを決定した。また、実用工業放線菌2種よりのレセプター遺伝子の取得・解析から、autoregulatorレセプターの重要性を示すことに成功したことも踏まえ、autoregulatorを中心とした二次代謝制御モデルの構築が可能となった。
|
Research Products
(3 results)